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2009年5月 3日 (日)

医院建築・リフォームの際に必ず押さえたい所(後半)

医院建築やリフォームをお考えの先生方へのシリーズ後半です。

前半は収納スペースについて記載しましたが、今回はチェアの配置と医院の導線について私の感じるところを記載していきたいと思います。

当院の場合、自宅診療なのですが自宅部分は建築が進んでいて診療所部分は柱や配管の関係上知らないうちに間取りだけは決まっていたという状態だったので患者様とスタッフとの通路は同じです。

私は個人的に感じるのは、患者様・スタッフとは必ず導線分離した方が良いと思います。もし私が最初から設計に立ち会えたのなら絶対に導線分離の設計でお願いしたと思います。

なぜなら、導線が患者様・スタッフ一緒だと完全個室の医院なら別ですが、パテーションのみで区切っている医院ですといくらパテーションをしていても出入りの際に他の患者様の治療風景がどうしても視野に入ってしまうのと、スタッフがバタバタ動いているのが患者様からすると煩わしく感じるからです。

自費診療を狙っている医院作りをしていきたい今後開業する先生は、個室を作るスペースがなければせめて導線分離をして患者様とスタッフが「がっちゃんこ」しないように静かな医院環境を整えるべきだと思います。

これは当院ではもう触りようがないので、新しく作られる先生には絶対にお伝えしておきたかったことです。私達が思っている以上に、患者様は口を開けている姿を他の方に見られるのは恥ずかしく思われています。そのあたりの配慮をどうするか、というのが「患者様への心配り」だと私は思います。

当院では今から導線分離は難しいので、現在診察台は一応パテーションで区切ってはいるのですがスリガラスであまりプライバシー保護にはなっていないので、もう少し個室風になるようにパテーションもリフォームの際に変更するべくデザイン中です。

導線は本当に重要です。歯科を作ったことのない設計士さんが設計すると、とんでもない導線の医院が出来上がる可能性が高いので、やや高くても歯科専門の設計士さんにお願いしましょう。私が思うに「タカラベルモント」さんのデザインは美容院も数多く手がけられているのでよいのではないかなと思います。ただデザイン料はものすごく高額です。

当院はどうしてもチェアにはこだわりがあったので「オサダチェア」を入れたかったためにタカラベルモントの設計は入れなかったのですが、タカラチェアを検討されている先生なら先行投資と思ってタカラベルモントの設計を入れられたら長い目で見て「キレイな医院は集客力がある」と言う事を実感できると思います(おそらくタカラベルモントでの設計は高いですが集客のある医院作りを提案してくれますので、ペイは出来ると思います)

当院の近くにもオールタカラベルモントプロデュースの歯科医院さんがあります。女医の先生の方ですが女性らしくかわいらしいデザインで外観もお洒落で目立つため集客力はかなりありそうです。中はどうなっているかは存じ上げませんが、美容院・歯科医院を専門に手がけているデザイン事務所ですので導線などもきちんとされているのではないかと思われます。

まず、開業が決まったら、見積は無料ですのでお洒落な歯科医院を見つけたらある程度雰囲気を覚えておいたりこっそり写真を撮影(怪しまれないようにして下さいね)して、歯科のデザイン事務所はネットで検索するとたくさん出てきますので自分のテイストにあった事務所に連絡を入れてデザインだけあげてもらってはいかがでしょうか?その際に気をつけて置かれたほうがいいのが、十分すぎるくらいの収納スペースの確保と患者様とスタッフの導線をどうするのか、チェアの配置はどうするのか、この3点は設計士さんに必ずつたえましょう。

高い買い物です。一生そこで働くことになりますから十分に検討して納得のいくものを建築していかれる事をお奨めします。でないと、当院のように出来上がってから「あそこが…」「ここが…」と手直しをして結局コスト高になってしまいます。納得いくまで話し合ってから契約書を交わされる事をお奨めします。何度も言いますが、見積は無料ですから。

今日のヒトコト…医院建築は計画的に。

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