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2009年6月 6日 (土)

ちょっと待って!新規開業の厳しい時代です

親類が東京で6月1日に居抜き物件で開業しました。

話を聞くと古いテナントの居抜き歯科医院物件で「何かそこで事件でもあったんじゃないの?」というくらい値段を聞くと格安。急遽開業が決まったのであまり院内に手を加える事もできず、借入なども諸事情から十分な額が揃えられず、スタッフも募集をかけても歯科衛生士どころか歯科助手すら集まらず(お嫁さんは医療関係者でもなく乳飲み子を抱えてしかも妊娠中なので手伝えない)仕方なく自分の母親にスタッフが決まるまで上京してもらい手伝ってもらう状態、運転資金も当院が開業したときに用意した金額(当時当院開業時でもこれは少なすぎといわれるくらいの額だったのですが)の半分以下、しかも土地に何もツテもない、歯科医師会にも当然資金不足と承認をしてくれる先生がいないので入れない(まあ都会ならあえて歯科医師会に入らなくてもいいとは思うのですが)という状況下。

もう聞くだけで「ああ、大変だなぁ」と胃が痛くなりそう…。

「とにかく資金が足りないのでお金を貸して欲しい」という催促が私にも入ったのですが、当然当院も資金繰りについて会計士が入っていますし「会社のお金」ですから自由になるお金なんて一切ありません。もちろんプライベートで貯金はしていますがそれは私達が開業時に全部使い果たしたので今少ない給与からコツコツ今後のために貯めているものなので出すわけにもいきません。

いくら身内とはいえ金銭の貸し借りはトラブルの元。私はいくら困っていても人にお金を貸すのは絶対にしない主義なので「きちんと計画しなかったのがいけないので、うちからは貸せない」とお断りしました。

開業してこの週末で1週間なのですが…1週間で患者数が5人だったそうです。開業当日と次の日に患者がちらほらで、あとの週末はお茶挽き(誰も来なかった)。

開業している方ならご存知でしょうが、保険診療をした場合は保険分の収入が保険組合から入金されるのは2ヵ月後です。ですので、運転資金としてある程度の額が必要になるわけです。開業当初は保険診療の窓口分だけが現金収入です。家賃・光熱費・材料費・人件費など…その他もろもろは運転資金から賄う事になります。ですので運転資金はある程度必要になるわけです。ましてや開業当初は「あれがたりない、これが足りない」などで出費もかさみます。月に100万~200万の経費なんてざらにかかってしまいます。

当院の場合、開業前にとにかく医院建築に関わった業者の方に「歯を治したほうがいいですよ」と私が営業をして無理やり(?)予約を入れて(さすがに業者の方も得意先に「いや」とも言えず苦笑いで予約を入れてくれましたが)なんとか開業当日は18人予約が入っている状態でスタートし、2日目から一般初診も増えてなんとか滑り出しは順調でした。(途中、親子診療トラブルや私が体調不良で休職するなどのアクシデントがあり、患者数が減り収入ダウンで一年目は結局大赤字で、私が復帰後に色々と経営戦略をブレーンと練って二年目でやっと黒字転換まで持っていけましたが、それもココだけの話、私の復帰した二年目の時は本当に胃潰瘍になって血を吐く寸前くらいの経営努力を行いました)

「どうしたらいいやろうか…」と今日その親戚から電話があり相談を受けましたが、正直厳しいと思います。差別化を図るにも、資金もスタッフもない、主人のように口腔外科などの特殊技術もなく専門医なども持っておらず一般歯科しかできない、医院も古い…。どこから手をつけて医院運営を改善すればいいか…悩みどころです。

一応歯科コンサルが入っているらしいのですが、ネットで調べた格安コンサル料金の会社で胡散臭いところのようです。歯科コンサルを入れる場合は必ず開業している先生経由で信用できる方からの紹介で入れたほうが無難だということがよくわかりました。みなさん注意して下さい。

とにかく、開業は甘くはありません。親が歯医者で儲かっていた時代とは今は違います。歯科はコンビニよりも多いです(だいたい全国で6万件くらいでしょうか)。東京では毎日10件くらい歯科医院が閉院や倒産しているらしいです(と何かの歯科雑誌で読みました)東京が一番歯科の潰れる率が高いようで、そこで計画性もなく開業するということは自殺行為であると私は思います。

親戚には厳しいようですが、甘く考えて計画性もなく開けたのが悪いと思います。もし本気で医院を立て直そうと思うのなら、子供も嫁さんもいるのですから自分の責任で今後の医院運用について一から新しい信用できる歯科コンサルトを入れて経営戦略を練り直すか、傷が浅いうちに閉院して勤務医として借金を返済していく道しか残っていないと思います。

何もせずにダラダラ開けていては赤字が募るばかりで、身動きが出来なくなってしまいます。運転資金が足りないので保険組合からの保険診療分の入金があるまでサラ金でお金を借りて経費返済をして保険組合の入金があればサラ金に返済して、またサラ金で借りて返して…とアリ地獄のような自転車操業をしている先生など、経営難の先生を何人も見てきました。本当に歯科医院の儲かる時代は終わりました。

同じ歯科開業医院として、見ていて辛い現実です。どうしてあげることもできませんが、今後開業する先生はどうかきちんと急がず計画性を持って開業して下さい。

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