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2009年8月15日 (土)

恐怖の「救急指定」

当院は今年、お盆休みは15日(土)~17日(月)まで。実質17日(月)に一日だけお休みをもらうことにしました。

お盆は暑いしあまり出歩きたくないし、この夏にリフォームしたのでその返済がそろそろだし…というのが理由。スタッフにも「お盆後半にお休みずらすね」と了承をもらいお盆前半戦はギリギリまであけました。

スミマセン、田舎のお盆をナメてました。

都市部は歯科医院の長期休診は年末年始は休診にする医院が殆どですが、お盆に関しては若い先生の場合「お盆休み」をしないケースや「お盆をずらして休み」を取る先生などが多く、どこかの医院が必ず開いているので比較的「お盆だから込み合う」ということは稀でした。

都市部の休日救急歯科診療所は年末年始はスタッフを通常の倍以上に増員して歯科医師6~7名、歯科衛生士12~13名体勢で100人以上診るケース(特に12月31日。毎年地獄のような忙しさです)があるので「戦闘モード」になっていますが、お盆は特別に人数増員もなく「通常診療モード」で特に「忙しい」ということはあまり記憶にありませんでした。

その感覚で8月始めに歯科医師会から「お盆の診察はいつまでしますか」と質問FAXが届いた時に14日まで開けますと回答。

するとお盆前に消防から電話が…。

「すみません、市内に開いている歯科医院さんが限られるので貴院を救急指定医院にさせてもらいます」とのこと。

どこの歯科医院もお盆真っ最中(13日、14日)は休診なので、当院が田辺の歯科の救急に当たってしまいました。

ようするに、田辺・白浜など当院から車で移動できる範囲で119に電話すると「口のケガや歯の痛い方は○○医院へ行って下さい」と119から強制誘導される救急指定医院になってしまったというわけです。

「わかりました」とお返事しましたが、軽く考えてました。

13日はさほど119効果はなかったのですが、14日は…。

もう大変なことになりました。

当院は完全予約制です。もちろん当日はすべて予約枠が埋まっている状態。それに割り込みで119からの救急が入ってきますから爆発状態。しかも予約外で飛び込みで「歯が痛いんですけどどこも開いてなくて」とこられる方まで続出。

ご予約頂いた方のカルテのほかに「予約外初診」の札が立ったカルテが山のように受付から流れてきます。

通常時から当院受診をされている予約診療の方は「お盆ということなのであまり大きな処置をせずにクリーニングや消毒程度にしましょう」と処置などは控えていたのですが、119から回ってくる患者様は「腫れモノ」や「痛みの強い急性炎症系」、「かかりつけの医院がお盆でしまってるから『ココ』だけして」「帰省してから痛くなったから痛みだけとって」と治療指定のある方が多く本当に救急歯科診療所状態。

主人も救急部にいたり当直で救急慣れしてますし、私も休日歯科救急診療所で働いていたのでお互い救急には慣れていますが、まさか自分が開業した医院で本当の救急診療所並みの処置をこなすことになるとは思いもしませんでした。

終わってみると通常日の診察人数の倍、診察しました。一日の診療点数も開業以来(といってもまだ開業後2年半ですが)最高得点でした。

全員あまりの忙しさにクタクタになりすぎて診療終了後はハイになってました。

主人いわく「こっちは田舎だからお盆はみんな都会に出た人が帰ってくるんだよ。地元にいる人で自営業をしてる人は業種に関わらず娘息子孫が帰省してくるから必ずといっていいほど休むんよ。だから開いているお店が希少価値になってものすごく混む。だから都会のお盆とは違うよ。『お盆開ける』っていうからチャレンジャーやなと思ってはいたけど…すごかったなぁ」とのこと。

早くそれを言ってよーーー!

本当に怖ろしいくらい忙しいお盆診察でしたが、お痛みのあった方に少しでもお役に立てたなら幸いです。

さすがにクタクタなので、この休み中にリカバリーしたいと思います。

今日は当院は休診ですが、もし田辺の方で歯の痛みなどがひどい方は119に連絡するとどこの医院が開いているか教えてもらえますのでそちらで応急処置を受けて下さいね。日曜日のみ旧国立病院跡地にある休日診療所の歯科が開いていると思います。

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