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2010年3月14日 (日)

「女帝」から学ぶ「本当に大切なもの」とは?

普段あまり漫画は読まないのですが、入院中や自宅療養中にコミックレンタルで読んだのがこの「女帝」シリーズ。

熊本のとあるスナック経営の母子家庭の親子。家庭の経済事情により大学進学の夢叶わず、母は「水商売」と蔑みをうけながらもプライドを捨てずに生きて行くもガンで他界。主人公である18歳の彩香は高校を中退して「母の恨みを晴らすために女帝になってやる」と単独熊本を離れ十三のスナックで勤め、大阪ミナミのクラブ、銀座のクラブのNo1、そして銀座クラブのオーナーママまでのし上がって「銀座の女帝」とまで言われるほど成功するサクセスストーリー。

「女帝・花舞」はその彩香の娘、明日香が主人公。「銀座の女帝」と言われる母だが家庭を顧みず仕事ばかり。それに反発して「母が銀座の女帝なら私は祇園の女帝になって見返してやる」とこれまた高校を中退して祇園に身を置いて成功していく様を書いたお話。

この本、実はかなり若い頃(20代)に一度読んだ事がありました。

フィクションなので多少大げさな内容ではありますが、女一人で立身し生きていく様がカッコイイと思いました。当時、私自身も若かったので血気盛んな頃で「女帝」みたいにのし上がってやる!ということで共感を覚えていたのですが、今の年齢になってこの本を読み返してみると以前と違った感想が。

女が一人で生きていくのは難しいということ。オーナーとして店を切り盛りするには人脈がいかに大切かと言うこと。現場第一線を張っていた自分が「老いてくる」ことに対してどのような役回りを演じなければいけないかという問題…。経営者になって読んでみるととても参考になる部分が多々。

そして一番印象に残ったのが「トップ」を目指すとはなにか?ということ。

女帝花舞の最後の巻で女性問題で放蕩の限りを尽くした人間国宝である歌舞伎役者が死に際に「一生懸命死ぬ気で頂点に立ったとしてその先に何がある?『女帝』になるとは一体何か?」と明日香に問うシーンがあるのですが、その歌舞伎役者は最期の言葉として明日香に「病気をして倒れてみて分かるけど一番大切なものは肩書きや称号やない、最後に残るものは家族」と言い残しました。

結局、明日香はその言葉を受け「女帝」の道を捨て「身を焦がすような熱愛」ではなく身近にいた男性と結婚して平凡な生活を選び、そして絶縁していた「銀座の女帝」である母・彩香を呼び寄せて余生を暮らす事を決意。最後は家族揃って平凡に暮らす事が一番幸せ、という結論で締めくくられています。明日香の母、「ネオン街の女帝」彩香はそのとき還暦。30年守り続けた自分の城である銀座の店を捨て明日香の生んだ赤子を明日香一家と共に静かに育てて晩年は過ごしています。

昔はこの終わり方が納得いかなかったのですが、まだ若輩ですが30代も半ばになって20代のころとは少しものの見方も変わり大病をして私自身の考え方も変化してきたんでしょうね。「なりふり構わず、トップを目指す」という生き方に疑問を感じるようになりました。そして結婚して子供はいないとはいえ家庭をもつようになり「家族」というもののありがたさも感じるようになりました。「昔は若かったんだな」と過去の自分を振り返って恥ずかしく感じます。これがまた40代になり50代になれば今の私は「若くて青いな」と思うんでしょうね。

出世して名誉や名声をもらっても、それは一体誰のため、何のためか?

自分のため?ならそれを叶えた後は?と聞かれると私も答えがありません。

実は平凡で淡々として健康に過ごせる毎日が本当は幸せ、なんだろうなとかすかに思うようになった今日この頃です。

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