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2010年4月29日 (木)

医療従事者冥利

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私は大学病院時代に血液免疫内科で口腔内管理を担当していてしょっちゅう病棟やクリーンルームにいました。口腔外科外来よりそちらにいた方が多いくらいです。血液免疫内科の医師・看護師と協力して「移植患者への感染症リスク」のデータ取りや論文書きなんかをしてました。写真はナースステーションでの申し送り風景です。大学病院勤務時代の写真は初公開ですね。

血液免疫疾患の方は免疫抑制をしているので病室からの出入りが厳しく管理されています。特にクリーンルーム入室中の患者様はクリーンルームの外に出ることは出来ません。白血病で造血幹細胞移植や骨髄移植や臍帯血移植をされる場合は抗がん剤や放射線で骨髄を潰しドナーから移植をするために免疫抑制しているのでちょっとしたウイルスなどでも感染してしまう危険な状態だからです。

私も実際に免疫疾患で入院した時に感じたんですが、この病室監禁状態はかなり苦痛。なので医療スタッフにやさしく声をかけてもらうととてもうれしく感じました。

勤務時代にクリーンルーム入室中の患者様は週2回くらい顔を出して口腔内のチェックやケアなんかをしていたのですが、患者様は医療従事者とのおしゃべりを心待ちにしています。ですので私もいつもできるだけ時間を作って患者様とお話しする時間を設けるようにしていました。

いろんな悩み相談や愚痴などほとんど聞き役に徹して申し送りで話した内容を報告するんですが、その後患者様はお話されて笑われると少し元気になられると受け持ち看護師たちも言っていました。疾患のケアだけでなく心のケアもするのが医療従事者だと思います。

当時、私が担当していて無事移植を受けて寛解して退院された患者様たちともいまだに交流があって季節の挨拶のおはがきやメールなどを頂くことがあります。

そういった方たちから「ありがとう」と慕っていただけるのは医療従事者冥利につきますね。

今、私が自分の医院で働いて、患者様から同じように「ありがとう」といってもらえるように微力ながらも努力したいと思います。

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