看護実習生さん
入院中、1日だけ私に看護実習生がつきました。
私、大学病院勤務時代に実習生の教育責任者を担当をしていて毎月6~5名の生徒さんを預かって指導していました。私は静かでガミガミ怒るタイプではなかったのですがレポートや口頭試問には厳しいほうでした。なので逆に学生に「怒らず静かに厳しいこと言うから何を考えているか読みにくい先生」と恐がられていたようです(苦笑)
人によっては実習生を目くじら立てて重箱の隅を突付くようにガミガミ怒って憂さ晴らしする人も多かったですけどね。たしかに忙しいときに実習生を預かるのはかなり大変なのでイライラするのも分からなくはないです。自分のルーティン業務もこなしつつ実習生の面倒をみないといけないわけですから実習生の預かり期間はめちゃめちゃ忙しいわけです。自分が学生のときに面倒を見てもらったので、その恩返しに自分がある程度臨床経験を積んでくると教育係りが回ってくるわけです。
私たちが学生のときは「怒られてなんぼ」の時代で、とにかく先輩は恐かったです。先輩の言うことはたとえ黒でも白、口答えは出来ません。医療の世界は絶対的縦社会。
でも、今は昔に比べるとかなり縦社会も緩和してみんな優しくなってると感じます。時代の流れでしょうか。オニのような指導をする人は少なくなりました。個人的にはオニのような熱血指導教官もいてこそ医療業界という気もしないではないですが。
私は自分が実習生だったときの担当教官の方が非常に手をかけて育ててくださったので、その恩返しと思って実習生教育には当たっていました。人は育てないと育たない、それはある程度臨床経験を積んで下に後輩が出来てから実感したことです。
手のかかるコ、非常に頭の切れるコ、何かにつけて遅いコ、要領のよいコ…いろいろいます。それを束ねるのは並大抵のことではありません。
臨床実習は学生にとっても苦難ですが、教えるほうも苦難です(笑)
さて、私は入院中4人部屋だったんですが空ベットが2つあったので実質2人部屋でした。相部屋は糖尿病の指導入院で入っている70代のおばちゃん。私が入院していたのは今回外科病棟だったのですが、内科病棟が満床だったので一時的に空床があった外科病棟で預かりになっているのでオバチャンだけが病棟内で「糖尿内科」入院。かなりのツワモノで目を離すとお菓子をボリボリ、間食し放題。しかもおしゃべり大好きでマシンガントークが始まると止まりません。ヒョウ柄シャツやスパッツを着ているし典型的な「関西のオバチャン」(苦笑)
私は持病の膠原病(SLE)のために午前中は熱発してしんどくてダウンしてるんですが、ダウンしてようが何だろうが自分が退屈な場合はお構いなくカーテンを開けてしゃべりかけてくるので正直辛かったです(苦笑)なんせ2人部屋状態なので逃げようがない…。
糖尿病の指導入院の場合はインスリンの量を調整しないといけないので間食されると看護師は医師から管理不足と怒られます。血糖値が高くあまりにも間食がひどいので受持看護師がしょっちゅう点検にきてはオバチャンと言い合いになっていました。糖尿の方は「食べてない」と言い張るのですがやっぱり食べてます。看護師もそれは見抜いているのでお互い狐と狸の騙しあい。
そこで看護師も苦肉の策。日中は実習生をオバチャンにベタ付けして「お話し相手にしてくださいね」とさりげなく言って監視させてました。オバチャンは監視されているとは知らず「いい話し相手が出来た」と実習生にマシンガントーク炸裂。
私にも実習生さんがついたのですが、1日だけであとはオバチャンにつきっきり。看護師は私が医療関係者だと知っているので「本当はSLEは珍しいので学生をつけたいんですが…」と言ってました。
1日ついた実習生さんは前の日にSLEを調べてきたのか「あの…お熱はどうですか」「関節は痛みますか」「顔は赤くなりますか」などなど教科書どおりの質問を浴びせかけられます。私は典型的な症例なのでだいたい当てはまるので「実習生のお誂え用」のような患者です。私の症状を聞いてメモメモする実習生さんが数十年前の自分が学生時代だったときのことを思い出し微笑ましかったです。あやうく実習生教官時代の血が騒いだのか口頭試問をしそうになりそうでした(苦笑)
私に実習生が付いている日はオバチャンには実習生がついていなかったので「私もおしゃべりに寄せて!!」と間にオバチャンが入ってくるので実習生さんも困惑気味。私もできるだけ角がたたないようにフォローはしたのですが、オバチャンはツワモノなので一筋縄ではいきません。かわいそうに実習生さんは「ちゃんと担当した患者さんを看なさい!」と学生担当の看護師に怒られてました。
次の日から違う学生さんがオバチャンにベタ付き。「おねえちゃん、今看護師おらんから内緒にしといたるからコレ食べ」とチョコレートやらおせんべいを実習生に渡そうとして自分も食べようとしています。「食べたらダメですし私も食べれません」と実習生は必死に言うものの、オバチャンは「私のあげるお菓子は食べれないっていうの!!」と剣幕で怒り出す始末。収集がつかなさそうなので見かねてこっそり私からナースコールしました。
う~ん、大変そう。
入退院を繰り返して入院慣れしてますが、今回の入院は賑やかしくて退屈せずに済みました。いいことなのか悪いことなのか…(苦笑)
ナースの卵のみなさん、困った患者さんや恐い先輩にもめげず、臨床実習頑張ってくださいね。
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