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2010年7月 4日 (日)

ステロイド服用中の歯の治療

このコラムの検索で「ステロイド 歯の治療」や「膠原病 抜歯」「SLE 歯科治療」などの検索が多いようなので簡単にまとめてみます。

ステロイドとは?

とても劇的な抗炎症作用のあるお薬で免疫抑制などの作用もあります。結構メジャーなお薬なので名前は聞かれたことはあるかと思います。一般的な商品名は「プレドニン」。オレンジの小さな粒ですがとても苦いのが特徴。主に膠原病の方やアレルギー疾患の方が内服されています。(私も「SLE」で服用中)

ステロイドは副作用として「易感染性」というものがあります。分かりやすく言うと体が「バイキンに感染しやすい状態」になっています。口腔内は歯垢などのバイキンの巣窟なのでステロイド服用中の患者様は注意が必要ということになります。あとは傷口がとても治りにくいんですね。ですので特に口の外科処置(抜歯とか腫瘍摘出など)は注意が必要。

服用しているステロイドの量にもよりますが、10mg/day以上なら注意が特に必要。一般歯科の先生の場合はあまりステロイドの副作用をご存知でない方も多いので必ず口腔外科に行きましょう。ステロイド服用中の方は歯科治療や口腔外科処置希望の場合は、ステロイドを処方してくれているかかりつけの内科の先生にひとこと「今度歯科に行きたいんですが」と言って紹介状を書いてもらうと良いでしょう。

やっかいなのが「膠原病」でステロイド服用中の外科処置です。「膠原病」の方の場合、手術などを行うとストレスから病状が悪化することがあります。ですので、場合によってはステロイドを増量した状態で外科処置を行わないといけない場合があります。ですので内科と連携治療となります。

ステロイド増量ってイヤですよね…。

私も口腔内ではないのですが外科処置をして補体低下(悪化)&処置後の傷の治癒不良でステロイド50%増量になりました。もちろん免疫内科と連携しての外科治療。おかげで50%増量してからすぐにムーンフェイス復活。顔がまたアンパンマンでパツンパツンです…。女性としてはムーンはイヤですね。でも減量するとちゃんと戻りますよ。(私の場合は5mg/dayの時で普通に戻りました)

特に夏場は膠原病は日光暴露で悪化しやすいので、急な症状以外「夏場の外科処置」は避けたほうが無難です。当院でもよっぽどのことがないとステロイド服用中の方は夏場の外科処置は避けて対処療法を行っています。

当院は私自身が膠原病なので、ステロイドは主人も私も作用について詳しいのでコラムでそのことをよく書いているからか「コラム見て来ました」とステロイド内服中の患者様が結構来院されています。免疫疾患をお持ちの患者様は安心して治療にお越しくださいね。

7月に入りましたので特定疾患受給者証(国の難病指定)の更新時期ですね。私も早速この週末に手続きをしてきました。歯科では特定疾患は使えませんが、免疫内科の診察の際の医療費一部補助は助かりますね。毎月、精密血液検査や薬代だけでもかなりの額になりますから…。早くステロイド離脱して普通の生活をしたいものです。

当院では火曜午後に有病者歯科外来を行っています。ステロイド服用中の方で歯科治療や口腔外科処置希望の方は受付にてご予約の際に「火曜午後希望」と「ステロイド服用中」という旨をお伝え下さい。

簡単ですが、検索が多かったのでまとめてみました。ご参考までに。

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