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2010年9月20日 (月)

全身性エリテマトーデス(SLE)の「口腔内潰瘍」の免疫内科と歯科の診断基準の違いについて

膠原病・全身性エリテマトーデス(SLE)の記事です。

「続きを読む」で折りたたまないのでご興味のない方は読み飛ばしてくださいね。

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SLEの診断基準は11項目あります。

アメリカリウマチ学会によると

①顔面(頬)に紅斑がみられる

②円板状紅斑(慢性の皮疹・ディスコロイド疹)がみられる

③日光に対する過敏症がある

④口の中に潰瘍(無痛性)ができやすい

⑤関節の痛みや腫れがある(2つ以上の関節)

⑥肺や心臓に水がたまる(胸膜炎・心外膜炎)

⑦腎障害(0.5g/day以上のタンパク尿、または細胞性円柱の出現)

⑧神経障害(けいれん・精神状態)がある

⑨血球検査の異常

⑩血液検査による免疫学的異常

⑪抗核抗体陽性

以上、11項目のうち4項目に該当すると「SLE」と診断されます。(⑨⑩は項目が色々あるんですが割愛してます)

その中で、歯科にも関係するのが④の口腔内の潰瘍。

実を言うと、免疫専門医の言う「無痛性の口腔内潰瘍」と歯科医師の言う「無痛性の口腔内潰瘍」のニュアンスが違うんです。

免疫専門医の言うところの「無痛性の口腔内の潰瘍」は、歯科医師の言うところの「口腔粘膜の粘膜の浮腫(むくみ)による圧痕」なんですね。(これは私の実体験をもとにです。臨床的データはありませんが)

ですので、歯科領域で厳密に言うと「SLEの口腔内の潰瘍」は「粘膜浮腫」と診るケースがあり、診断が違ってくることが多々あります。

そんなわけで、免疫専門医と歯科医師の診断基準が別れてしまうことが…。

私がSLEと診断が下る前に、ものすごく口腔内が浮腫(むくむ)んでしまい舌や頬の粘膜が歯に食い込んでたんですね。痛みはあまりありませんでしたが、舌や頬などの粘膜がむくんで歯に食い込んだところが白く腫れるというか「痕」がつくんです。この「痕」が免疫専門医のいうところの④の診断基準の「無痛性の口腔内潰瘍」。

これは歯科領域だとおそらく「疲労などによる口腔粘膜の浮腫による圧痕」と診断されてしまうんです。歯科でいうところの『口腔内の潰瘍』というのは「アフタ」といって周囲の粘膜と境界明瞭な白い偽膜(明らかに白い腫れ物が出来ている)に覆われていて「痛み」を伴うものをさすことが多いです。免疫内科的な「口の中の潰瘍」の場合、痛みも伴わず偽膜に覆われていないので歯科に受診した場合は「様子を見ましょう」と経過観察になるケースが多いと思われます。

私は大学病院勤務時代に血液免疫内科の病棟の患者さんの口腔管理をしていたので、病棟のナースやドクターから口腔内チェックの依頼の申し送りを受けた症例を診てなんとなく「免疫内科のナースやドクターの言う『口腔内の潰瘍』と、私たち(歯科)の言う『口腔内の潰瘍』は違うな」とうすうす感じてはいたんですが…。

実際に自分がなってみてよく分かりました。免疫内科の言う「口腔内の潰瘍」と歯科の「口腔内の潰瘍」は捉え方が違います。

全科共通して「診断基準」が統一できるのが理想なんですけどね。なかなか難しいことです。私の「SLEの粘膜浮腫」の口腔内症例写真があるんですが、あまり気持ちの良い写真ではないので掲載は遠慮しておきますね。

当院では「口内炎が出来た」という患者様がご来院になって、明らかにアフタ(歯科でいう口内炎)ではなく浮腫の場合は問診などで身体症状を確認して内科にご紹介させてもらっています。(他の疾患が疑われる場合のみ)

もし、微熱が何ヶ月も続く、身体がだるい、ダイエットもしていないのに体重が減少する…等々の症状があった上で口の中にむくみが出る場合は膠原病が疑われるので「リウマチ科、免疫内科」に受診されることをオススメします。

上記の口内炎の件ですが、これはあくまでも私が個人的に感じたことなので臨床的に正しいかどうかは不明なので参考までにしてくださいね。

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