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2010年11月20日 (土)

シェーグレン症候群の口腔乾燥対策

冬到来。乾燥のシーズンになってきましたね。

シェーグレン症候群の方にはツライ季節です。

シェーグレン症候群とは膠原病の一種で色々と症状はあるのですが「口の中が乾燥する」症状が強く出ます。唾液の分泌が悪くなり口の中がカラカラになるんです。

当院は口腔外科ということもあってシェーグレンの方がよくご来院されるのですが、私自身が膠原病でSLEとシェーグレン持ちなので、シェーグレンの口腔乾燥の状態がいかにツライかよく分かります。

…でも残念ながら、シェーグレンの口腔乾燥に「コレ」という特効薬はないのが現状。一応、内服の薬はあるのですが(エボザックなど)いろいろ人体実験で試してみましたが自分自身で飲んでみても効果の程は?です。ですので対処療法で乗り切るしか手がありません。

対処療法として有名なのが「口腔内保湿ジェル」ですが…個人的には「こんなベタベタした気持ち悪いもの使えない!!」です。ですので、当院では口腔乾燥のある方には、まずサンプルで保湿ジェルをお渡しして使えそうなら購入してもらうようにしています(「使えそう」「気持ち悪い」というご意見が半々ですね。大丈夫な方は継続使用されてらっしゃいます)

では、一応、歯科医療従事者でもありシェーグレン患者でもある私が冬場の乾燥時に個人的に行っている口腔乾燥対策(教科書には載ってません、自己流です)をご紹介します。

①ガンガンに加湿器

自宅では加湿器をフル稼働して乾燥対策をしています。寝るときは加湿器+ナイトナノスチーマーを枕元にセット。これで寝ている間の口の乾きは少しマシです。とにかく部屋は乾燥させないように加湿しましょう。ナイトスチーマーはオススメです。

②口の中を清潔に

口が渇くと雑菌が繁殖して余計に気持ち悪くなります。私はコンクールを持参していて乾くとこまめにうがいをしています。これで少し口の中の気持ち悪さがとれますよ。

③保湿マスク着用

あまりにも口が渇くときや寝るときにいいです。薬局に「保湿マスク」といってマスクの内側が湿っているものがありますのでこれは便利!呼気が乾燥しないので少し楽ですよ。

④こまめな水分摂取

シェーグレンだとやたらと喉が渇きますので水分摂取は必須。私もヤカン1杯お茶を沸かすのですが半日でなくなってしまうくらい喉が渇いて水分補給しています。水分を取るときに甘い飲み物を使用すると余計に喉の渇きを誘発してしまったり、虫歯や歯周病の原因である歯垢を形成してしまうので、もし水分補給をするなら緑茶がいいと思います。フッ素やカテキンが入っているので歯にもいいですしね。

⑤唾液腺マッサージ

顎のフェイスラインをマッサージすると唾液が出やすくなります。フェイスラインのリフトアップにもなりますのでよく揉み解すといいですよ。あと私は嫌いで食べられないんですが、砂糖の入っていないガムを噛むことで唾液の分泌を促進することが出来るのでガムもオススメです。

…こんなところでしょうか。とにかく乾燥した部屋にはいない、口の中が乾かないように常に水分を補給して清潔に保つが一番ですね。

シェーグレンに限らず更年期障害のひとつである「口腔乾燥症」の方も上記の対処療法をお勧めしています。

口の渇きの辛さはなった人でないと分からないですからね。一人で悩まず医療機関に相談してみましょう。当院でも口腔乾燥について外来診察を行っていますのでよろしかったらご相談下さい。

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