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2011年1月 8日 (土)

「たけし主訴」

みなさん、こんにちは。

2011年の診察開始からはや3日。休みボケが直らない夫婦ふたりですが身体に鞭を打って診察に励んでおります。

診療開始の6日午後は飛び込み予約外の方のお問い合わせが多いだろうと思い私も出勤日ではないですがスタンバイした上で予約自体も事前にセーブしていたのですが、予想的中でした。急な腫れや外傷などの飛び込み患者様があり目が回りそうな忙しさでした。来週くらいから通常診療に戻れるかと思います。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんでした。

さて、テレビの番組というのは反響が大きいのですが、たしか去年の11月くらいに放送された「たけしの本当は恐い家庭の医学」(番組タイトルは←でしたっけ?)で口腔粘膜の異常の特集があってから、当院でも「舌に白いものが…」「ほっぺたの粘膜にデキモノが…」というお問い合わせが非常に多いです。放送されてもう大分時間が経ってはいるのですが、結構毎週「たけしの番組をみて心配になったから」という検診希望の方が後を絶えません。

主訴が「たけしで」の9割以上の方は問題なしで大丈夫なのですが、ごくまれに…の方がいらっしゃいます。何名か「たけし主訴(私たち夫婦間では「たけしの番組を見て検診希望の方のことを指します)」でご来院になった方の中に白板症疑いの方がいらっしゃいました。

白板症とは?

口腔白板症は前癌病変であると考えられ、その癌化率は4.4~17.5%と報告されています。特に舌側緑(舌の横)、舌下面、口腔底(こうくうてい)(舌の下と下の前歯の間)に発生した白板症で、疣状(いぼじょう)や腫瘤状の病変や潰瘍、びらん(ただれ)が存在するときには口腔扁平上皮癌(こうくうへんぺいじょうひがん)に進展する確率が高く、すでに癌を発生している場合があります。臨床的な病型に分類がなされ、たとえばWHOは均一型(homogenous type)と不均一型(non-homogenous type)に分けています。

 口腔白板症の病因は明らかにされていません。誘因としては、局所に継続的に作用する物理的、化学的刺激、たとえばタバコ、アルコール飲料、刺激性食品、不適合補綴物(ほてつぶつ)(金冠や金属の詰め物、入れ歯)などがあげられています。口腔白板症は40歳以降の男性に多くみられます。好発部位は舌で、ついで歯肉(歯ぐき)、頬粘膜(頬)、口蓋(上顎)、口腔底などが続きます。発生頻度は日本では、2.4%との報告があります。

口のガンはハッキリ言ってタチが悪いものが多いです。しかも顔面領域なのでヘタをすると顔・頸部・舌周囲にメスが入るので女性の方の場合は審美的に非常に辛いものがあります。少しでもヘンと思われたら悩まずに一度ご相談下さい。大丈夫ならそれで「よかった」でOKですし、もしガンや前ガン病変(ガンになるかもしれないという瀬戸際のデキモノ)だった場合は即当院から入院加療が出来る口腔外科病院に迅速に紹介致します。

いきなり総合病院にいくのが気が引ける…という方はまず当院に受診されてみてはいかがでしょうか?

最近、当院でもガンや前ガン病変の方が増えてきたので、患者様への告知の際には細心の注意が必要な場合があります。(主人はハッキリスパッと告知をする方なので…。結果的には遠まわしに告知するよりハッキリ言ってあげるほうが患者様のためにはいいんですが)早く心理士の資格をとって告知後の患者様の精神的フォローが出来るようにならないとと痛感しています。勉強、勉強。

年明け早々に「告知」があったので、主人・スタッフ共々気を引き締めて今年も診察していきたいと思います。

では、今週もコラムにお付き合い下さい。

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