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2011年5月15日 (日)

年をとってからの再読

私の趣味は「読書」。テレビをほとんど見ないので暇があれば何か読んでます。主人には「活字症」と言われるくらい何かしら読んでます。お蔭様で、文庫本ならすぐ読みきってしまうので家には本がいっぱい。1ヶ月に1回古本屋に売りに行ってます。

著名な作家さんの本はほとんど読破したので、このごろは幻冬舎のマイナーなアウトロー系や素人さんが書いたノンフィクションを読んだりしています。「刑務所の中」や「やくざの経営術」「高級クラブに学ぶ接客術」「日雇い労働者は辞められない」などジャンルに問わず片っ端からちょっと怪しげなノンフィクションを読みふけっているので主人に「もうちょっとマシなの読んだら?」と言われます(笑)読みすぎて「雑学」が詳しくなりクイズとか出れそうな勢いです(笑)

ここ2~3ヶ月、論文用の参考文献や参考書物、頭の痛くなるような英語論文をずっと読み込んでいたんですが、やっと卒論草稿が落ち着いたので久々に趣味の読書を開始しました。

気になってたのがこの1冊。

村上春樹さんのあの名作「ノルウェイの森」。昔何度も読み返した1冊。

若かりし頃は、まだ私も乙女(?)だったので一時期恋愛小説なども読んでました(笑)

最近、この本が映画化されましたね。もうレンタルで出ているかもしれませんね。あの独特な世界観をどう表現してるのかな?という興味はあったんですが自分の中の「ノル森」の妄想を崩されたくないという思いで映画は結局見ませんでした。映画の評論を見ても私と同じく、私と同年代でノル森を読んだことがある人たちは「自分の思っていたノル森の世界観と違った」という意見が多かったですね。

映画予告だけは見たんですが、ロケ地が私が好きな兵庫県の中部にある静かな山間のある街(昔、20代の頃よくドライブに行った思い出の場所)で、「ああ、あそこなら直子(この本のコアになる精神疾患に罹患している少女)らしいかな」と納得できました。海外の監督ですがどうやってあの場所を探したんでしょうか?すごく神秘的なところですよ。神鍋周辺は本当にノル森の世界観にあったいいところですのでぜひ行ってみてください。特にオススメは秋と夏。私は大好きなところです。

ここから予告編が観れます。映像はとても凝っていてきれいなのと音楽もいいです。

ストーリーは「なんてない日常と青年のエロス」を書いたもの。20歳になるかならないかの主人公が大人になっていく過程とでもいいましょうか。主人公とガラスと細工のように繊細な触れると壊れてしまう精神を病んだ女の子を通じて「生きるって何?」をテーマにしたもの(私なりの解釈)

なんでこんな「なんてない日常」の話がヒットするのかな?と思うんですが、そこは村上さんの独特な世界と文章力でしょうね。

これを最初に読んだ主人公と同年代の頃はこの「ヒリヒリ感」がよく理解できたんですね。若さの煩悩に悩む青年の心のひだという感じで。私の中では「ノル森」は「ヒリヒリする小説」でした←なんかわからん表現ですね…

で、30後半になって「映画化された」ということで読み直しでもう一度買ってみました。

あっという間に読めてしまったんですが、読後感は年をとったせいなのか昔と違いましたね。

感想は「う~ん、若い」。

今の私にはない感覚です。良くも悪くも「若い」ですね。昔感じた「ヒリヒリ感」が感じられませんでした。それだけ人生の酸いも甘いも経験したからでしょうか?主人公のワタナベも直子もキスギもピュアすぎて痛々しい。唯一現実に「血が通って生きている」と感じる人物は永沢さんだけかな。彼は実際に昔も今も変わらずに受け入れられました。あとレイコさんって精神医学を学んだ視点で見ると「直子にとってもレイコさんにとっても『共依存』する対象になっていて彼女の社会復帰の妨げになってるな」と感じました。たぶん、レイコさんがいなかったら直子は自殺せずに生きていたんじゃないかなと私なりの解釈。精神疾患の患者が精神疾患の患者を自己診断で診てはいけません。これ、すごく危険です。

あと昔は感じなかったんですが、なんか妙に生々しくてエロい(苦笑)電車の中で読んでたんですがひとり赤面しそうでした(私はそんなウブなタイプではないんですが)

映画を観た感想を読んでみても「なんかエロシーンが多くて」や「生々しい」「そんなに性描写ってあったっけ?」という意見が多かったです。よくこれを映画化できたなぁとへんなところに感心。だって、このノル森はオチがないので読後は「個人で勝手にいろいろ想像してください」的な話なのでどうやって締めくくったのかなぁと。

年をとると見方が変わりますね。なんだかノル森を再読して「ちょっとあの頃より人生勉強したんだな」としみじみ感じました。

再読といえば、渡辺淳一さん。18の頃に当時の彼の作品全部読破しました。医学系は非常に面白かったのと不倫系の小説にドキドキしましたが、今読み返すと医療系はまずまず(情報がもうかなり古い)ですが、恋愛小説系や不倫系は「いやらしいオッサンの妄想」で胸焼けしそうでした(苦笑)

年代によって読み物の感じ方って変わってくるんだなと思う今日この頃です。その中でも今も昔も変わらないのが「白い巨塔」。ドラマも見ましたが、財前先生の死後の大河内先生の病理解剖室へ誘うシーンは何度見ても泣ける!唐沢さんって演技うまいですね。医療サイドから見ると財前先生が正論ですが、患者サイドから見ると里見先生が正論なんですよね。どっちもホント。かなりリアルでうまく作ってあります。主人ともども医療系ドラマはうそ臭いので嫌いなんですが、コレは別格。医療関係者は医療ドラマは見ない人が多いんですが、めずらしく病棟のナースのみなさんや先生たちなどの医療関係者も当時みんなコレは見てました。結構何度もレンタルして見てたりしてます。親が同じくステージ4のガンで亡くなってから余計リアルに見えるようになりました。

youtubeに「財前先生のガンステージ4末期告知シーン」あったので貼っておきます。泣けます。

「ただ無念だ…」。

私も難病告知を受けたときに感じたものですね。ガンではないですが私も難病でいつまで持つかわからない身なので…。

雨時期になってきましたので、お家で読書もオツですよ。

ちなみにうちのDr.ヒロシはまったく本を読みません…。

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