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2011年9月10日 (土)

初秋の風

みなさん、こんにちは。

台風の被害は想像以上に甚大です。当院でもテレビで放送されている龍神・勝浦の患者様が多いのですが孤立して通院ができない方が多数いらっしゃいます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

台風が過ぎてから、涼しくなりましたね。

当院の近くに歯科のない総合病院があるのですが、最近そこから車椅子でご家族の方と通院されるご高齢者の方が多くなっています。当院はスロープが付いていてバリアフリーなのですが、危ないので診察終了後は歩道まで車椅子介助をしています。

先日、私が出勤している日にお見えになったおばあさんはガンのターミナル(末期)。その日は少し体調が良いとのことで主治医から通院許可が下りたようで車椅子でお見えになりました。

診療後に車椅子を押して歩道に出ると気持ちの良い秋風が吹いていました。

ご家族の方とおばあさんに「風が、気持ちの良い季節になりましたね」とお話しすると「いつも病室にいるので、こうやって少しでも外に出られるだけで気分転換になります。病室だと風に当たることも、お日様に当たることもないから気持ちいい。動けることはありがたいことです。自然も季節の移ろいもありがたいことです」とおっしゃっていました。

自分が難病になりいつ急変するかわからない体になってから、そしてガン末期の実父を看取ってから、人生観が変わりました。「生きる」ということ、「普通に過ごせること」の大切さを感じるようになりました。

うろこ雲の澄み渡る青空の下の、おばあさんの言葉が心に残りました。

医療現場にいると、そういった「命」の灯を感じることができます。私が体が悪くても医療現場に立ち続けるのは「命」の灯を自分自身が感じ取りたいからかもしれません。

いつまで白衣を着て現場に立てるかわかりませんが、体が許す限り私は臨床を続けたいと思います。

では、今週もコラムにおつきあいください。

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