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2011年10月 2日 (日)

メディアに惑わされずに!

今、ちょうど朝の番組で「リウマチ」の特集をしていました。

「リウマチ」は「膠原病」という病気の一種です。私が罹患している「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」も同じく膠原病の仲間です。

「膠原病」は「自己免疫疾患」といって「自分の体を自分で攻撃してしまう」病気です。関節リウマチの場合はおもに関節が攻撃され破壊されてしまう、SLEは全身の臓器が攻撃されるのでどこが悪くなるかは神のみぞ知るといった感じでしょうか。

膠原病に共通する症状として「全身倦怠感」と「微熱」があります。これは罹ったことのある人にしかわからないと思いますが、「全身倦怠感」はたとえて言うと体に鉛を付けて歩いているような重さとでもいいましょうか。起き上がるのもだるく億劫、といった感じでしょうか。

「微熱」は人によってさまざまですが、私の場合37.1℃前後だと「あ、今日は熱が低いな」という感じで「少ししんどいな」と感じたら37.5℃、「今日はしんどい」と思うと38℃ overです。仕事をした日はだいたい次の日は38℃くらいまで上がりますね。不思議なことに「だるい」んですけど風邪の時の熱のように寝込むほどしんどくない熱なのが特徴。

関節リウマチは手が変形するので見た目がわかりやすいですが、ほかの膠原病は見た目は健常者と変わらないのでいくら辛くても「一見健康」にしか見えないので「さぼり病」のようにみられてしまうことです。

テレビでもしていましたが、大げさではなくお箸が持てなかったり、腕が上がらなくなったり、歩けなかったりなんて日常茶飯事。私も現在かろうじて職場での臨床治療はできますが、お箸は持ちづらいです。外食で特に和食の場合はお箸の持ち方がきちんとできないので恥ずかしい思いをします。

番組を見ていて少し感じたんですが、番組で紹介していたおそらく免疫抑制剤や新薬は使える人はごく一部。だいたいはステロイドでの基礎治療か保険適用の古典的な免疫抑制剤がほとんど。「これをしたら治る」というまでの治療薬はまだ開発されてません。コメンテーターの素人さんが「これでリウマチは治ってしまうんですね~」なんて言ってましたが、横に座っていらっしゃった監修の免疫内科の先生が「そうではなくて…」と遠まわしにフォローを入れてましたが、リウマチを含む膠原病は一生治りません。病気とうまく付き合って折り合いをつけながら生きていくしかないんです。コメンテーターの方の発言は罹患者としてはちょっと配慮に欠けるなぁと個人的には感じました。医療系の番組は毎度ながらに思うんですが、素人のコメンテーターは医療的な立場から見て患者様に対して不適切、不用意な発言が多いのでいらないんじゃないかなと思います。

番組では「痛みを感じたらリウマチ科へ!」と気軽に言ってましたが、全国にリウマチ科がある病院は非常に少なく、あっても「内科・その他医院からの紹介状がないと初診の受付は行いません」というところがほとんど。紹介状を持って行っても予約が何週間も先になるケースが多いです。予約していても診察がいつも数時間待ちなんでザラです。免疫専門医は非常に少なく労働環境も過酷です。書くいう私も明日に膠原病リウマチ内科に受診なんですが「あ~、こんなの放送されたら勝手に来る初診さん多くて受付混乱するだろうなぁ」とちょっと憂鬱。

もし放映するとしたら「まずはかかりつけの開業医に相談してその医師が必要と判断したら紹介状を書いてもらってリウマチ科へ」が正しいですね。そういった事情もきちんとメディアは伝えるべきですね。

今日はたまたま「リウマチ」の医療番組をみていたので上記のような感想を書きましたが、よく歯科の番組特集などでも「インプラントは怖い」など偏った情報を流されるので現場の立場からするととても迷惑です。適切な診断と適切な治療、アフターケアを行えば問題ない治療です。そもそも、病気の診断はオーダーメイドで個人個人違いますから一概に「これが正しい」というものはありません。客観的に「そういったことが多い」というあくまでも統計的なものはありますが、偏ったうわべだけの情報に惑わされずにきちんと専門の医師に診断はあおいでください。テレビやネットや書籍からでの素人の自己診断や「こんな治療方法をしてくれ」などの勝手なオーダーは医療者から非常に嫌がられます。コレ、現場では本当に嫌われます。プロでない方の中途半端な知識を本職に言うのはタブー・禁忌です。医療者の矜持が傷つけられ治療・看護意欲を削ぐ行為なので気持ちよく治療や看護を受けたいのなら絶対にやめましょう。やはり餅は餅屋。症例を実際に毎日こなしている医療職者の判断は文字だけの素人知識の判断にはかないません。

やはりプロの目から見た診断・治療は正しいのでなにか症状がある場合は自己診断せずにきちんと医師にかかりましょう。

メディアで流れる医療情報はあくまでも「参考」程度に。惑わされないようにしてくださいね。

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