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2011年10月 9日 (日)

医療従事者のQOL

「QOL」という言葉を聞かれたことがありますか?

「クオリティ オブ ライフ」の略語でwikiによると

一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的に見た生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である

だそうです。医療現場でよく使う言葉です。(例「QOLの向上のためにどのような看護や援助が必要か」などなど)

患者様が質の良い生活を送れるようにお手伝いするのが医療者の務めです。最近この「QOL」の考え方は医療のスタンダードになってきています。

では、患者様には「QOLを」と訴えている医療従事者は?というと…「QOL」とは程遠い生活を日々過ごしている人が大多数です。医療従事者の「QOL」を言うのなら

Q=苦しい

O=お給料が安い、お休みが取れない

L=来年も再来年も変わらない生活

とでも略しましょうか(苦笑)女性的には「O」に不規則過労で「お肌が荒れる」と入れたいところですが。

本当に医療従事者は医師を含め看護師その他コメディカルスタッフ、すべてどこもスタッフ不足が深刻です。とくに地方はもっと深刻。資格者すらいない、募集しても集まらない、すぐ辞めるの三重苦でどこも資格者確保に必死です。

書くいう当院も昨年は神戸から衛生士の久保が就職に来てくれたからいいものの、国指定の難病に罹患して主治医からドクターストップがかかっていても人手が足りなくて私ですら週二回出勤しないといけないありさま。

本当に人手が足りません。経営者になってからその深刻さには辟易するくらいに資格者の確保が難しいのが現状です。地方と都会の医療格差は本当に深刻です。

地方の医療関係者は自分が病気になってもギリギリまで働きます。病気になっても働いてます。それくらい医療には人手が足りないんです。

患者様によいQOLを提供するためには、医療従事者のまずQOLの向上が必要だと思います。疲れ切った心身で患者様に笑顔で接するのは土台無理です。

医療資格を取れば将来安泰ですが(確かに手に職を持っているとどこへ行っても食いっぱぐれはないですが)過酷労働です。世間の皆さんが思うような「お医者さんはセレブ」は遠い過去の昔話(今の50~60代の先生方くらいまで)で、中堅や若手の医療従事者は奴隷のごとく、労働基準法はどこ吹く風といった感じの過酷労働を強いられてます。もちろん薄給ですよ。「ああ野麦峠」を彷彿とさせます。

心理系の大学で「医療者の精神心理」などを習ったんですが、医療職に就いている人は実は自殺が非常に多いんです。心身ともに忙しすぎてバーンアウトしてしまう方が悲しいかなたくさんいらっしゃいます。

医療従事者も人間。白衣を着ているからと言っても万能ではありません。

医療従事者の確保のために、離職者の現場復帰の促進のために、国が動いてくれるといいんですが。もうすでに医療崩壊をしているので、このままいくと日本に医療が本当にダメになってしまうのも時間の問題です。

小沢さんのお金の問題とかつくづく政治家って自分のことしか考えてないんだなと憤りを感じます。政治家なら困っている現場をもっと知ってもらいたいですね。政治家のえらいさんは腰痛だけで簡単に入院できて羨ましいです。(みんな一般市民はベット待ちしてるんですよ)

医療者の「QOL」、きちんと見直すべき時期だと私は思います。

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