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2012年1月14日 (土)

難病女子、週2回診察する

膠原病SLEの記事なので興味のない方は「続きを読む」で折りたたまないので飛ばしてくださいね。

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「う~ん、仕事?自宅で在宅ワークとか事務仕事ならいいけど免疫抑制中だよ。医療現場だし外科系は感染リスク高いからあまりオススメしないなぁ」とイケメン主治医S先生。

S先生、ホントにイケメン医師で元職場の血液免疫内科病棟ナース友に「S先生が主治医?いいなぁ」と羨ましがられました。性格も良い先生です。東京弁を使いこなすテニス好きな三十路前。大学病院から市中病院に異動になってから異動先の若いナースたちに狙われている模様。以前、市中病院入院中の日曜日の昼間のナースステーション(日曜日は検査がないので比較的ナースステーションは和やかです)で若いナースたちに囲まれハーレム状態で鼻の下を伸ばしてまんざらでもない顔をしていたS先生をみかけました。見てはいけないものを見てしまった感じがしました…。

っと、与太話はこれくらいで(笑)

実は私、ドクターストップかかってます…。

自宅でいるときは微熱(だいたい37.5度)、体の倦怠感、関節痛、コンクリートのように凝り固まった筋肉痛で「寝込んで」ます。まさに「イモムシ」。

午前中は朝内服したステロイドが効くまでは「体が痛くて」起き上がれません。

火曜は私担当の「心理士による臨床カウンセリング外来」と「歯周病外来」「有病者歯科外来」があります。(木曜日は久保担当の外来なので出勤はしてますが基本私は久保の指導係に徹していて施術はあまりしてません)実は出勤前に湿布を貼りまくり鎮痛剤と解熱剤を飲んで仕事出てます。

いくらしんどくても、体が痛くても、熱が出ていても、なぜか白衣を着ると「切り替え」が出来てしまうんですよね。自分でもびっくりの「プロ根性」です(笑)よく「いくみ先生ってホントに病気なんですか?」と聞かれるくらい患者様の目もごまかせる「女優」っぷりに主人は苦笑いしています。

って、なんでそんな「M」なことをしてるのかってですか?

やっぱり医院の財布を預かる者として現場の状況を知っておかないといけないのと、オニババが巡回してスタッフを引き締めないといけないこと、「私指名」でお見えになる患者様がいらっしゃるから、久保のオーベンとして後輩を育てて私の遺志を引き継ぐ後進育成をしないといけないから…でしょうか。

私のような免疫疾患(慢性疾患)は一生治らないのと症状も悪くなることはあっても改善することはないので「いかに病気とつきあって生きていくか」が重要(と、大学の「臨床心理学」で習いました)。

「病気」に引きこもってしまうと「社会復帰」はできなくなってしまいます。

なので「社会復帰のリハビリ」を兼ねて体が許す限り出勤しています。「SLEでもうまく病気と付き合うと社会復帰できるよ」というのを身をもって伝えたいというのもあるんですけどね。

医療現場は過酷です。「自ら病気をしながら鎮痛剤を飲んで体をごまかしつつ笑顔で診察もする難病女子」、トライアスロン的な過酷さです(苦笑)

まぁ、ここまでストイックに働く必要もないと思いますが、軽いパートくらいなら、お仕事をして社会復帰した方が絶対にいいです。家の人だけでなく、病気でない社会の人たちと触れ合うことも気分転換になりますよ。私も自分の患者様方に逆に元気を頂いています。

私の周りの免疫疾患の方は「もう病気だし働けないし…」と引きこもっちゃってる方が多いんです。私も自宅療養している日は「体が痛いし、しんどいし(SLEは日によって体のしんどさが違うので、しんどい日はものすごくしんどい)火曜と木曜、できれば働きたくないな…」と正直思うことも多々あります。でもある程度「自分の決めたノルマ」を作っておかないと、本当に「自宅に引きこもり」で通院以外は外に出かけないだろうと思います。

病気に甘えていると、どんどん病気が「心」も「体」も侵食していきます。

うちの医院は「有病者歯科外来」を設けているので私はその担当をしてるんですが、その日は外来で抗がん剤や放射線治療をしながら働いたり日常生活をされているガン患者の方や透析をしながらアルバイトをしている方など「明るい闘病」をされている方が多いです。みなさん「病気と向き合い前向き」です。

病気だとあきらめずに、残された人生を楽しむのも「ひとつの生き方」ですよ。

がんばれ、「難病女子&難病男子」!

私も無理せず頑張ります。

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