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2012年1月29日 (日)

入るは簡単、出るのは大変「通信大学」

覚せい剤で逮捕された酒井法子さんが裁判の情状酌量のために「介護福祉士になります」ということで通信大学に入学されましたが、案の定、もう早々に「退学」されたそうですね。

医療&介護の仕事は非常に地味で過酷でお給料も労働の対価に合わないものです。よほど医療の仕事が好きでないと務まりません。

一度スポットライトを浴びた人には到底無理な仕事だと思ってましたが…「やっぱり」といった感じですね。医療現場の人間としては「裁判の心象を良くするためだけに、そのようなことはやめてほしい」と憤りすら感じます。真面目に介護現場の仕事をしている人にとても失礼です。

…と、個人的な意見はこれくらいにして。

酒井法子さんは「通信大学」で介護福祉士の資格を取ろうとしてましたが、「通信大学」ってなんか楽そうというイメージがないですか?

通信大学は一言でいうと

入る(入学)は簡単、出る(卒業)のは大変。

私は心理系通信大学を仕事&闘病をしながら3年次編入をしてなんとか留年することなく卒業できましたが「通信大学なんて楽」なんてことは全くなく、逆に「全日制通学大学」の方が楽だと感じました。

私が行っていた大学は特に医療系ということもあったので、余計大変だったのかもしれませんが、勉強量が半端なく多いのと専門性が高いので「この大学で、こういった知識を学びたいから必要に駆られて」でないと勉強についていけません。

実際に私の行っていた大学は3年次編入の現役中堅・ベテラン看護師、薬剤師、介護福祉士などの医療職種の方がほとんどでした。「現場で働いていて患者心理についてもっと勉強して良い看護を提供したいから」とみなさん志が高かったです。

かくいう私も診療所で「前がん病変(がんの初期)」や「口腔ガン」の方が非常に多く、その方たちへの対応の難しさに限界を感じ「入学」したわけですが。

科目も専門性が非常に高く、医療職種でないと理解できないようなものばかり。

医療職でない方の退学や脱落が多いのもうなずける難しさです。

レポートも半端なく多いですし、医療系ですから何やかんや実際に学校に行って実習を受けないといけないんですよね。それも結構な回数。

軽い気持ちで「大学卒の資格が欲しいし」で入学すると泣くことになります。ハッキリ言って「絶対にこの資格が必要」など確固たる目的がないと入学してはいけません。入学金がモッタイないです。

入学時は入学試験がなく書類審査で通過できますが、卒業は担当教官がついて卒論あり、単位取得数のノルマがあり、必須参加実習があり、で卒業するのがものすごく大変。「行はよいよい、帰りは…」です。(私の大学の場合は)

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何かの資料を見ましたが、通信大学の卒業率は非常に低いのも頷けます。

まぁ、通信大学でも宗教系大学なら学費はとても高いけど勉強内容が比較的楽だったり、医療系だと学費は安いけどカリキュラムが異様にキツイといろいろ通信大学によって特色がありますから、もし通信大学に行ってみたいと思われる方は「大学の入学案内」をたくさん取り入れてよく検討してみてください。

あと、できれば近場の大学を選ばれることをお勧めします。結構大学に行かないといけない場合が多いので交通費・宿泊費も馬鹿になりません。関西では神戸・大阪・京都に結構カリキュラムのしっかりした通信大学も多いので自分の行きたい学科を吟味して大学を選んでみてください。(私は入学前によく調べなかったので関東の大学に行ってしまったんですが)

そして「通信大学」に入学するにあたって一番重要なのが「自分が勉強できる環境であるか」ということ。

通信大学になぜ看護師さんが多いかと言うと「自分で休みのシフトを出しやすい」からだと思います。休みたい分、夜勤やきついシフトにはなりますが職場の人たちの迷惑にはなりません。あと大手企業などで有給を使って休んでも周りのスタッフに迷惑がかからない職種の方ならいいと思いますが、個人の小さな会社や診療所などではいくら有給は「労働者の権利」と言われても、たびたび「勉強に行くから休みます」と言って休まれると少人数ギリギリで業務をしているわけですから他のスタッフへの負担がかかります。通常業務に差支えが出て職場や一緒に働くスタッフに莫大な迷惑をかけてしまいます。

「勉強する」は大義名分で聞こえはいいですが、厳しいようですが個人企業での通信大学通学は難しいと言わざるをえません。

勉強と仕事を両立するには環境が一番大事ということです。「職場に迷惑をかけないことを前提とした勉強できる環境」でなければ、正社員として働いて勉強すべきではありません。そのあたりを考えないといけません。

私は個人的な感想としては、医療系大学だったので看護師や他のメディカルスタッフと実習を通して仲良くなり情報交換が出来たりプライベートでも友達になったりして医療を行う上で貴重な財産になったということと、やはり「これは診療に必要だから」というモチベーションをもって勉強できたので何とか卒業できました。私は行って良かったと思います。(卒業してからも「科目履修生」で勉強したらなかったことなどを追加で科目をとって勉強してるくらいです)

私は自営業ですし、大学で学ぶ内容が臨床業務でどうしても必須であったこと、そして常勤で働いていないので通信大学に行けましたが、もしこれがフル常勤で勤務していたら周りのスタッフに迷惑がかかるので行けなかったですね。

通信大学に入学するには、まず「自分のヤル気があるか(4年間、もしくは編入なら2年間辞めずに勉強できるのか)」、「資金は大丈夫なのか」、「勉強できる環境が整っているのか」を見極めてから挑んでください。

みなさんが思っているより、通信大学での勉強は過酷です。よく考えて結論を出してくださいね。

卒業者からの一意見でした。

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