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2012年7月16日 (月)

医療は過酷な職場です

主人と開業して思うんですが、医療の仕事ってとても「責任」が重い仕事なんです。特に開業医になると「すべて自分たちの責任」になるので精神的にとっても「しんどい」仕事です。

正直「もう医院辞めて気楽になりたいなぁ」と主人と話すこともしばしば、です。

「勤務している身」「雇われている身」だと嫌なことがあれば「転職しちゃえ」と身軽ですが、開業医だとそれもままならないので精神的にも肉体的にも本当にきついお仕事です。責任の割には意外とペイはよくないので大きな声では言えませんが白衣の仕事はあんまりオススメできません…。

…と医療の本音を書く人って意外と少ないんですよね。

最近読んだ本できちんと医療現場の歪を書いているものがあったのでご紹介します。

コチラ。私はテレビを見ないので知らないんですが、以前に藤原紀香さん主演で「ギネ(ギネというのは産婦人科の医療略語)」というドラマになったらしいです。

本書は産婦人科の勤務医の激務と医療訴訟を書いたもの。産婦人科の先生が自ら執筆しているので手術シーンは臨場感があります。手術内容や医療器具、検査内容に注略がないので医療知識がないと少し難しい記載もありますが。

読んでいると「ああ~、なんだかこの先生(主人公)の気持ち分かるわ」と医療従事者なら納得するストーリーです。

医療を提供する側とされる側ってやはり「意識」に埋めがたい溝ってあるんですよね。私も医療従事者であり難病患者で「どちらの立場でもある」のでよく分かります。

医療従事者からしたら「患者=たくさんいて毎日、日常に治療をする大勢のうちの一人」という位置づけですが、患者の立場からすると「先生=自分の病状を理解している唯一の人」なので、もうその時点で理解しあえない訳です。

医療従事者からすると毎日治療することが「日常」ですが、患者からすると病院にかかることということ自体が「非日常」なので、どこまでたっても平行線ですから本来分かり合えないんです。

いや、「日常」「非日常」と分かれているからこそ、医療従事者は冷静な視点で「患者」を診られる・看られるというのもあるんですが。一人ひとり患者に感情移入していたら精神的に持たないのも事実です。

医療は常に「訴訟」と隣り合わせです。いくら医療従事者が一生懸命に治療を行ってもちょっとした行き違いで「訴えられる」時代なので本当に精神的にキツイ現場の現状を本書はリアルに描かれてると思います。

主人公の先生が当直で36時間不眠不休勤務の上で夜間に超緊急カイザー(帝王切開)をしないといけなくて、手術前のオペ着に着替える際に過労で脳貧血で一瞬意識を失いつつも奮起してオペをしている姿が印象的ですが、これが今の医療現場の現状です。

医療現場の人間って自分がしんどくても寝不足でも「患者を診ないといけない」ので心身に歪ができるので何かと「矛盾」が多いんですよね。私も自分自身が難病でドクターストップがかかっていても医療スタッフの人手不足のために現場に出ざるをえないのでよく分かります。

「医療」というと、とかく美化されがちですが結構「ドロドロ」とした世界です。医療従事者も人間ですから「感情」があります。「神格化」されてしまい医療従事者の人間性というのがクローズアップされがちですが、医療従事者も「人間らしい感情」が持てるような職場環境になることを祈ってます。

いや、本当に医療従事者の不足って深刻なんですよ。

消費税やらなんやらゴタゴタしてますが、政治家さんにはもっと医療現場の現状を知ってもらいたいです(議会で寝てるなら医療・介護現場の手伝いしてください…)

というわけで、ちょっと脱線しましたがなかなか読みごたえのある本です。読むのが早い私でも完読するのに2日かかりました。ちょっと「白い巨塔」の後半の医療裁判に似てるかな。

コレ系統が好きな方は面白いと思います。(私は唐沢さんの財前先生が人間臭くて好きです。あれがホントのホンネの医者の姿。江口さん演じる里見先生は患者から見た「理想の医者の偶像」だと思います。あまりにも優等生過ぎる里見先生に現場のリアリティがない…。というのが作者の意図だと思います)

医療従事者も「聖職者みたいに思われるけどドロドロとした人間らしい感情がある」ってことを少しでも理解してもらいたくて書いてみました。

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