三つ子の魂100まで
どこまで続くか真面目記事、のコーナーです。
今回のテーマは「三つ子の魂100まで」です。
心理学系の大学に編入した際に、とても印象的だった科目があります。今日はその1つをご紹介。
「発達心理学」です。分かりやすく言うと、生まれてから大人になるまでの過程で、親の育て方や環境でどのように精神が発達し性格等を形成するかを学ぶもの。
↑テキストはいっぱいあるんですが、まあこんな感じの小難しい教科書です。
発達心理学の有名な実験で、生まれたてのサルを親から引き離して育てたらどうなるか、集団生活を主とする動物を隔離して育てたらどうなるか…等々、けっこう惨いことをしています。
その結果、やはり生まれてからのある一定期間に親や周りの環境が要因で性格や人格が形成され、それを修正するのは非常に困難である、という結論が出ます。
これを人間に置き換えてみると、幼少時代の親子関係などで後天的に人格障害を引き起こしてしまう可能性が非常に高いという事が理解できます。
医療現場にいますと、各種人格障害と思しき方々と接するので、ある程度、心理学やメンタルケア関係の知識があれば対応しやすくなります。私も大学で習った人格障害の方や精神疾患の方、更年期障害の方、心身症の方などの対応プロトコルに合わせて患者さんと接するようになってから、大分対応の仕方が分かるようになってきました。いくつになっても現場にいれば勉強は必要だなぁと思う今日この頃です。
で、今日のテーマなんですが「三つ子の魂100まで」。
何かというと、最近の小児の患児さんを診て思う事なんですが、私がまだ臨床に出たてで若かった頃(うん十年前)の患児さんに比べて、今のお子さんは多動であったり吃音がひどかったり癇癪を起こしたり…と問題を抱えているお子さんが多くなったように思います。正直言うと昔に比べて今は小児の患児さんは本当に治療しにくくなりました。
時代なんでしょうけど、お子さんが待合室で騒がれて他の人に迷惑をかけていても注意せずにスマホをずっと触っている保護者の方とか…お子さんに無関心な方がとても多いです。両極端で、非常に過干渉な保護者の方も多いです。個人的に感じるのはバランスの良い保護者さんが少なくなったような気がします。
無関心&過干渉の保護者の方のお子さんの口の中は虫歯だらけです。コレ、症例で論文書けるくらい規則性あり、です。
小児の場合、親の無関心や過干渉でそのお子さんの性格形成がされてしまうので、非常に怖いな…と臨床をしながら感じてしまいます。
発達心理学の教授も授業の際に「子供を作るなら、3歳までは必ずお母さんが正しい愛情と悪いことをしたら叱る勇気を持って出来るだけスキンシップをしてあげてください。それができないなら子供を作ってはその子が不幸になります。3つ子の魂100まではホントです」と耳にタコが出来るくらい言っていたのを思い出します。3歳でほぼ人生の精神構造が出来上がってしまうってコワイですね。
近頃は「小児精神科」もでき人気で予約が半年待ちとか。お子さんの精神のバランスが壊れてきています。そのほとんどの原因が保護者。小児精神科はお子さんを診るより保護者を診るケースが多い…というような問題を授業で習ったわけです。
うちは私が病気で子供ができないので、おそらくこの先子供がいる生活はないでしょうが、子育ても大変だなぁと日々臨床でお子さんを診ながら感じます。
当院では、久保は「優しい歯磨きのおねえちゃん先生」係で主人と私が「押さえつけて治療するコワイおっちゃん&おばちゃん先生」係なので、お子さん達に「おねえちゃん先生が良い」「おっちゃん先生とおばちゃん先生はキライ」と言われてしまいます(苦笑)
虫歯がないお子さんは「優しいおねえちゃん先生」が診てくれるので、虫歯にならないよう、おっちゃん先生&おばちゃん先生にまわってこないようにケアを頑張ってね~。
と、脱線しましたが、今日のまとめです。
スマホは「今」いじれますが、お子さんの「今」は本当に「今」しかありません。成長は一瞬です。少しお子さんに目を向けてあげて、お子さんが何を感じ何を思っているのか、同じ目線で見てあげてみてください。問題行動のあるお子さんはお母さんのその心遣いで「何か」変わるかもしれませんよ。
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