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2013年4月28日 (日)

ボナロンと抜歯

どこまで続くか真面目記事のコーナーです。

今回は「ビスホスホネートと抜歯」について、です。

最近、やっと田辺で「口腔外科」が浸透してきて、近隣開業医の先生方から口腔外科処置についてのご紹介を頂けるようになりました。

で、多い紹介がコチラ。

「骨粗鬆症でビスホスホネートを飲んでいる方の抜歯依頼」


ステロイドの副作用や加齢などで骨が弱くなっている、いわゆる骨粗鬆症の方が飲む薬があるんですが、特殊な薬でして、その薬を飲んでいると歯科治療(とくに外科処置)に非常に慎重にならないといけない場合があります。

骨粗鬆症の薬ビスホスホネートでメジャーどころの経口剤の名前はコチラ

一番有名なのはアレンドロン酸ナトリウム水和物の「ボナロン」

Masago
二番手くらいなのが「フォサマック」

Masago_2
「DK」、「SN」、「タイヨー」、「マイラン」というマイナーなものもあります。

あとはアレンドロン酸ナトリウム水和物とは少し系統が違うもので「ダイドロネル」「ボノテオ」「リカルボン」「アクトネル」「ベネット」もありますが作用機序はほぼ同じで骨粗鬆症の薬です。

どれが処方されるかは先生方の趣味です、はい。(どの製薬会社と仲良しか、ええ思いをさせてもらってるか、とかで薬は決まったりします…裏話)

ほとんど骨粗鬆症=「ボナロン」か「フォサマック」と思って頂ければいいかと。

え?なんでこんなに詳しいか?一応、私も飲んでるので…。

この系統の薬は胃粘膜を傷つけるので、飲む際は大量の水(200cc)で一錠を飲み込んで30分横になってはいけません。座ったままで安静です。コレ、朝の忙しい時間帯の主婦には非常にメンドクサイ薬です。

で、このビスホスホネート系薬剤(なんか書くのがメンドクサイので、以下BP)、なんで口腔外科処置を気を付けないといけないかと言いますと、BP服用中は骨、あるいは骨膜への侵襲を伴う外科処置(抜歯、インプラント、歯周外科処置)は顎骨壊死となりうるからです。

顎骨壊死とは?(H22年日本医師会・日本歯科医師会Q&Aより抜粋)

・症状…持続的な処置部位の骨の露出、顎が重い感じ、鈍痛、顎のしびれや疼き

顎骨壊死が進行すると疼痛や感染が増悪し、病的骨折を起こしたりします。(ちょっと医療用語いっぱいだったので私的に意訳して簡単にまとめてみました)

まあ、早い話、BPを飲んで抜歯すると顎の骨があんまり良くないよ、ということです。

さらにBPを飲んでタバコも吸っている、糖尿病なんてあればリスクハーイ↑↑で施術する方から言えばもう「メンチンに裏ドラのったようなもの(あ、麻雀用語です…)」で満役ですね(苦笑)

なので、

骨粗鬆症の薬を飲む前には歯科治療は終わらせてから飲むようにしましょう。処方されそうになったら主治医に「歯科の治療を先に済ませてからでもいいですか」と一度相談してみてください。

が、残念ながらBPを飲む前の歯科治療を済ませておくというのは医科では浸透してなくて、「飲んでまーす」と言う方がハードな外科処置が必要…というケースが多いのが現状…。

んじゃあ、どうするの?ってことですが、リスク覚悟で施術しないといけない訳で。外科医泣かせなんですわ、実は。(by主人談)

一応、主治医の先生と相談の上、リスクを患者さんに徹底的に説明して外科処置前の少なくとも3か月前はBPの投薬を中止し、治療部位の骨の治癒傾向が認められるまでは再開しない、というガイドラインに則って治療を行います。

BP投与中の方の処置と術後フォロー、ホント結構大変なんです…。

ひつこいようですが、骨粗鬆症の薬を飲む前に絶対に抜歯が必要な歯は抜く、虫歯の治療はしておく、歯周病の治療はしておく、は絶対条件です!内科や整形の先生に言われなかったら自分から「先生、飲む前に歯科に先に行きます!」と自己申告してくださいね!!

最近、ボナロン服用中の方の外科処置依頼が多くなってきたので、インフォメーションまで。

(このコラムの検索ワードNo1が「ボナロン、抜歯」だったりします)

余談ですが、ビスホスホネートって言いにくいですよね…。「ビスホネホネホネー?ええっとなんだっけ?」となってしまいます(笑)

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