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2013年5月26日 (日)

ステロイドQ&A

私は自己免疫疾患を患っていて、現在ステロイドにて免疫抑制中です。

免疫抑制とは?ニュースメディカルより抜粋

免疫系の活性化や有効性を減少させる行為を含みます。意図的に誘導される免疫抑制は、一般的に、骨髄移植後の移植片対宿主病の治療、または関節リウマチやクローン病などの自己免疫疾患の治療のためにから体を防ぐために行われます。

分かりやすく言うと、ウイルスに感染しやすい状況をわざと薬でそうさせてる、と言う感じ。自己免疫疾患は自分の体を自分で攻撃してしまうので免疫抑制が必要なんです。

普通の一般歯科ならあまり問題ないのですが、うちは口腔外科で血液飛沫が多いので免疫抑制中の身で臨床はちょっと…と主治医には言われてるんですが家内制手工業な中小企業では私も貴重な戦力なので体の無理を押して頑張って現場に出ております。

というわけで、うちのHPに「免疫疾患のある方、診察致します」ということを掲載しているせいか、私の外来日は「リウマチ」「全身性エリテマトーデス(私はコレ)」「成人スチル病」「川崎病」「血管炎」「シェーグレン」「クローン病」などなど結構レアな自己免疫疾患の持病をお持ちの方が多くいらっしゃいます。たぶん、ここまで免疫疾患勢揃いの医院もめずらしいんじゃないかな?

HPを見て頂いてありがとうございます。

ステロイドを飲んでると免疫抑制で感染しやすいので一般歯科ではあまり治療してくれないケースが多いんですよ。うちは私も飲んでるので対処法も分かりますし、主人も10年大学で外科をしてますから対応OKなのでご安心してお越しください。

自己免疫疾患の治療薬はステロイドが第一選択。今回の真面目記事はステロイドにまつわるお話を。

よく聞くステロイドの副作用について、私なりの感想を。

Q.ステロイドの副作用で太ると聞きますが、本当に太りますか?

A.はい、かなり太ります(笑)水を飲んでも太るといった感じです。脂肪を蓄えるという副作用があるらしく、服用前と同じ食事を摂っていても倍太ると思ってもらえれば分かりやすいかと。なので、食事は絶対に制限を入れてください。私も食事を何も変えてないのにMAXで10キロ肥えました。ステロイドの量が減ってくると自然に体重が落ちては来ますが、あまり肥えすぎると糖尿病など他の疾患のリスクが増えてくるので、ぐっと我慢してください。というか、ステロイドを飲むと異様にお腹が空くんですよ。なので知らず知らずつまみ食いしてるというのもあるんですけどね(笑)とにかく、ストイックに体重管理は重要です。

Q.髪が抜けるんですが?

A.人によって個人差がありますが、バッサリ抜けます。私も櫛で髪をとかすと「禿げるんじゃないの?」と思うくらい抜けます。ひどい人は薄毛に悩まされる位だそうです。あと、髪がものすごく痛みます。髪まで栄養が行かないらしく切れ毛になりやすいらしいです。ステロイドたくさん行ってる時はホントに髪がパサパサ。カラーリングやパーマはしない方がいいです。ノンシリコンのシャンプーなどを使ってあまり頭皮に刺激にならないようにした方がいいですね。

Q.ニキビ、できやすくなるんですか?

A.私の場合は10ミリ/dayを切るまで、ものすごくニキビが出来ました。男性ホルモンが多くなるらしく、皮脂の分泌が多くなるのでニキビ多発するそうです。もうこまめに洗顔しかありません。ホント、顔が脂ぎるという感じです(笑)あまりにもひどく出来る場合は主治医にお願いして皮膚科にコンサルトを出してもらうか、ニキビの薬を処方してもらうといいかと思います。ちなみに男性ホルモンが増えるので毛が濃くなったり体臭(なんか男臭い)も出てくることもあります。女子には嫌な副作用ですね~。

Q.ムーンフェイス、どうにかなりませんか?

A.これは減量しないとどうにもなりません…。私も苦しみました(涙)もうね、顔が「別人」なくらいパンパンになります。減量していくうちにムーンも収まってはきますが、かなり時間がかかります。あと、肩幅がすごいことになりますね。牛骨肩という副作用らしいんですが、ドラゴンボールのピッコロさんみたいに肩がいかり肩になります。これも薬が減ってくると直ってきますのでご安心を。

Q.ステロイド服用中の歯科治療ってどうなんですか?

A.基本的にステロイド投与前に抜歯などの外科処置は済ませておいた方がベターですね。感染しやすくなるのと副作用で骨がもろくなるので骨粗鬆症の薬「ボナロン」を処方されることが多いのでボナロンを飲むと基本抜歯ができなくなるので、抜く歯は飲む前に抜いておきましょう。あと、菌に対して弱くなるので虫歯や歯周病になりやすいです。口腔ケアはまめに受けておくといいかと思います。

Q.ステロイドを飲むと歯がしみます。

よく言われるのが「ステロイドを飲むと知覚過敏になりやすい」。これ、ホント。私自身も自分で体験するまでは「そんなことないって~」と思ってたんですが、ステロイドを飲みだすと知覚過敏がひどくなります。私的に理由として考えられるのは顎骨がステロイドによって吸収が早くなり、歯の根が露出してしまうのでしみるんだと思います。これは上手く付き合っていかないと、どうしようもないので極端に熱いモノや冷たいモノを気を付けていただくしかなかなか方法はないですね…。

というわけで、今回は患者さんとの問診や日々の会話でよく出る話題を掲載してみました。ステロイドは本当に副作用の多い諸刃の剣な薬で副作用もいろいろです。

ひとりで悩まずに同じ病気を持つ人同士交流を持ってくださいね。お互い闘病頑張りましょう。

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