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2013年8月25日 (日)

歯科における新人教育について私見

久々、どこまで続くか真面目記事です。

今日は「歯科における新人教育についての私見」についてです。

久々に、来年度は新卒歯科衛生士を採用します。

高校1年生のころからずっと歯科助手のバイト(親戚一同みんな歯医者さんなので)から始まり、資格を取って気が付いたら歯科界にどっぷりはまって21年。いろんな歯科医院や先生方、歯科衛生士さん、助手さんを見てきました。

うちの医院では、今まで見てきた数多くの医院の良かったところのみピックアップして医院運営に反映していますが、歯科衛生士の新人教育についても私なりに経験を活かして「5年で一人立ち」というカリキュラムを立てて指導をして育ててます。まあ「自分の医院」なのでこうやって好き勝手にカリキュラムを立案実行できるというのもあるんですが。

「まさご歯科」での私なりの歯科衛生士の指導計画はこちら。

1年目はきっちり「基礎」として歯の基礎的な事や患者さんとコミュニケーションを取ることをメインに行いながら実習で歯周病の治療を学んでもらい、2年目からは歯周病の治療を先輩についてもらいながら施術したりカウンセリングの実施、3年目から歯周病に関しては自分で診断治療計画を立てて行い問診も一人で行えるようにする、4年目からは新人さんを教育しながら自分も教えることで勉強して学ぶ、5年目で一通り歯周病治療もマスターし、基礎疾患などの知識も持って一人前、と言った感じで考えてます。もちろん認定歯科衛生士も取得を目標にさせてます。

うちで新卒で就職してもらったら5年一区切りで一人立ちできるようにと思ってます。ですから、結婚までの腰掛的な感じやパートで軽く、ではなく、きちんと長く勤めて「プロの歯科衛生士になる」というプライドのある方を希望しています。

医院側からすると、新卒は即戦力にならないので育てるのにコストがかかりますから長く勤めてもらわないと1年目2年目のあまり何もできない仕込時代の給与分がペイできないという経営的な事情もありますが、やはり歯科衛生士としてきちんと一人立ちするには5年はかかると私自身は感じているからです。

私は助手さんは躾もありますので怒るんですが、歯科衛生士さんに関してはあまり怒りません。歯科衛生士さんは基礎的な躾(身だしなみとか言葉遣いとか整理整頓や上下関係)は学校で仕込まれていてある程度出来ているのでそういった点では叱りません。

歯科衛生士さんは直接患者さんを触りますので注意して観察はしていますが、自分で何かを「気付いて」もらって先輩に「聞いてほしい」ので、あえて開業して「自分の医院」になってからはあまりガミガミ怒らないようにしています。

一方的にこちらが怒ったり指導してもなかなか後輩のためにならないことを色んな歯科衛生士さんを育てて私自身「気付いた」ので、「まさご歯科」を開業してからの私の歯科衛生士指導方針としては「まず、どんどん患者さんに触って、自分が何ができないのか、どこがおかしいのかを自分で気付いて体感して、先輩に自ら教えを聞き、自分の体で覚えて欲しい」を教育理念として持ってます。

100冊専門書を読むより1人の患者さんを触る方が勉強になる、というのが私の教育理念なので、今度入社する新人さんもどんどん患者さんを触らせます。その上で「5W2H」を教えていきます。

「自分で考え、気付き、先輩に相談し成長する」歯科衛生士に育ってほしいと私は考えてます。

やはり新卒で最初に教わる先輩がその資格で生きていくうえでの「メンター」になりますから責任重大です。私はできるだけ、看護師新人教育のプリセプター制度や今主流の新人教育方法を取り入れてお預かりした新卒さんは大切に育てたいと思っています。

採用した新卒歯科衛生士さん、または今後面接に来られるであろう新卒歯科衛生士さんには私のそんな想いや理念を知って頂ければ幸いです。

歯科衛生士は歯科医師の下とはいえ、唯一、自分で診断して治療計画を立てて施術し治癒させることの出来る医療国家資格です。歯周病という病気を自分で診断して治療して治癒させることができるんです。もっと自信を持って「私は歯科衛生士です」と自慢できるよう「歯科衛生士」という資格を世間に知っていただきたいと思います。

「まさご歯科」で一緒に歯科衛生士の地位を向上させましょう。

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