今だからこそアナログも
最近は何もかもデジタルな時代。
今や仕事ではデジタルは「なくてはならない」ものです。医院も予約管理などデジタル化移行へと作業真っ最中です。
スマホやら今は身近なデータツールが沢山ありますが、実は私、プライベートでは携帯電話もいまだにカラゲーでネット系はPCでしか操作しません。
今さかんなLineやFBの類が苦手です。「なんで今更カラゲー?」「FBしないの?」と友達にもよく言われるんですが…。
独身時代は在宅時は常時PCを愛用し、自分でHPを作ったりSNSも盛んにしたり、ブログを開設してコメントでやりとりしたり、ネットのありとあらゆることに手を出してました。
でも、返事を気にしたり顔の見えない人たちとの交流に疲れるようになりました。
ネット上で知り合った人とオフ会や個人的に会ったりしてたんですが、ストーカー的なコワイ目にもあったり、生活を監視されてるような気がして、田辺に来てからは交流系は一切やめてしまいました。今は同年代の女性で気の合う方くらいしかネット上ではやり取りしてません。最近はPCですら用事がない限りあんまり開かなくなってしまいました。
う~ん、なんか飽きちゃったんですね、早い流行を追うのに。
あと手軽が故のネットの溢れかえる情報の「薄っぺらさ」を感じるようになりました。
これを心理学では「ネット依存症とその弊害」と言います(一応、心理士してます)。はい、私も以前はネット中毒でした。
だから近頃はプライベートでは生活を、あえてアナログに変えつつあります。
あんまりいい年してタブレットやスマホを常に操作してても格好悪いですしね。眼も見えにくくなってきましたし…(老眼?)
時代に逆行してますが、最近の私の趣味は昔読んだ文庫本を探してきて読み漁ることです。こうみえて、私、学生時代から超読書好きな文学女子でした。
大分古い本ですが、学生時代に読んだ有吉佐和子さんの全集や宮尾登美子さんの全集など昔の女性文学を読み直してます。
何も世間を知らない学生時代に読んだものを、社会の裏表やら酸いも甘いも経験してから読むのとでは読後感が違うのと、作者が「何を」言いたかったのかの感じ方が変わってきてとても「新鮮」です。
あと、自力で花街のお得意さんになってみると、有吉&宮尾作品に多い花柳界の裏表が実によく分かります。芸舞妓さんの心情などが臨場感がありますね。着物の柄とか三味線の音色や舞姿など風情があって文章だけで連想するのがすごく楽しいです。昔の方の表現力の豊かさに「さすが」と感心します。
やはり、純文学と言うのはネットのチャラチャラした文章とは重みが違います。
私は思想や宗教の類は関与しないのが信条なのですが、昔の女性文学を読むといかに今は女性の人権や自由が保障されてるなと感じます。柳原白蓮さんとか、平塚らいてうさん、松井須磨子さんとか和宮さんとか篤姫とか何気にスゴイ。
…って文学を語り始めると止まらないのでここで割愛(苦笑)
もう本屋の店頭には並んでないだろう純文学はネットからしか買えないという皮肉…。もっと本屋さんに置いてほしいですね。
うちの医院は毎月1冊必ず本を読ませるようにしているんですが、今は私が軽く1時間以内で読み切れるようなライトな接遇本や啓発本を読ませてますが、今後はこんな純文学なんかを読ませてみようかなと思ったりするんですが、若い子にはちょっと重すぎるかな。
活字離れが進んでいる今だからこそ、純文学良いですよ。