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2013年9月29日 (日)

糖尿病な方たち

どこまで続くか真面目記事のコーナーです。

今回は「糖尿病と歯科治療」です。

最近、田辺でもやっと周りの一般歯科の先生方に口腔外科を認知頂いたようで、口腔外科領域のご紹介が増えてきました。

よくご紹介いただくのが親知らずの抜歯と有病者の外科処置。その中で一番多い疾患が糖尿病の方の抜歯&外科処置依頼。最近とても多いです。

外科処置だけ当院で処置して、その後の治療はかかりつけの先生に戻ってもらってます。これぞ私たちが望んでいる「一般歯科&口腔外科」の連携治療。こうやって近隣の先生方と棲み分けして本職の口腔外科処置のみ行える日が来るといいんですが。

さて、糖尿病の方の場合、外科処置をすると傷口からバイキン感染しやすかったり、血が止まらなかったりとちと厄介なんです。なので口腔外科領域となります。

処置の前に内科の先生にコンサルトを取ったり、術前に「予防投与」といって事前に抗生剤を内服してもらったり、ケースによっては抗生剤やステロイドの点滴を入れたり、バイタルをモニターで監視しながらの処置になります。一般歯科でモニターや点滴の準備をされてるところってまだ少ないですからね。こういったときの「口腔外科」です。

とくに紀南地区は私が感じるに都会にいたときより、糖尿病罹患者が多いような気がします。しかもかなりハードな糖尿病。

問診で「HbA1cは?」とお聞きすると「9!」とか「10!」とか、なんかクラクラっときそうな数値がかえってくるケース多し。

HbA1cとは何ぞや(糖尿病教室から転載)

高血糖状態が長期間続くと、血管内の余分なブドウ糖は体内の蛋白と結合します。この際、赤血球の蛋白であるヘモグロビン(Hb)とブドウ糖が結合したものがグリコヘモグロビンです。このグリコヘモグロビンには何種類かあり、糖尿病と密接な関係を有するものが、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)です。

*HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)が変わります!
日本糖尿病学会では、2012年4月1日よりHbA1cの表記を日常の診療において国際標準値を使用することの決めました。したがって、これまで使用していた数値よりおよそ0.4%高くなります。                      

これまでの数値から
およそ
0.4%
高くなります。
これまで(JDS値)   2012年4月からNGSP値へ
例えば 6.1% +0.4%で 6.5%

したがって、糖尿病の診断基準や血糖管理の指標や評価も、それぞれ+0.4%シフトして考える必要があります。
○新しいHbA1c値が6.5%以上の場合、糖尿病型と判定し、糖尿病が強く疑われます。

○コントロールの評価とその範囲:

指標
不可
不十分 不良
HbA1c(NGSP)%
HbA1c(JDS)%
6.2未満
5.8未満
6.2~6.8
5.8~6.4
6.9~7.3
6.5~6.9
7.4~8.3
7.0~7.9
8.4以上
8.0以上
空腹時血糖値
mg/dl
80~110未満
110~130未満
130~160未満
160以上
食後2時間血糖値
mg/dl
80~140未満
140~180未満
180~220未満
220以上

もう恐ろしい血液検査の結果を持ってこられるので「ひょえー」となります。

HbA1cが治療する目安になります。糖尿病の方は必ず血液検査の結果をお持ちくださいね。あとインスリンも何単位いってるのか教えてください。

ハイリスクな糖尿病の外科処置は誰かが処置しないといけない訳で。そんな時こそ大学病院口腔外科で10年いろんな疾患を診て鍛えてきた我が主人の腕ですよ。嫁の私が言うのもなんですが、歯科人生20年、いろんな歯科医師を観てきましたがうちの主人は外科は上手で抜歯の速さはピカイチです。

で、処置後は心理士の私がフォローです。糖尿病の方って一般にはあまり知られてませんが精神症状が強く出る疾患のひとつで、鬱やストレス、治療に対する考え方の歪みなどが見受けられるので心身医学的にフォローするのが私の役割。

こうやって、うちの医院は各自が専門分野をもってますので、役割分担して治療加療してます。

紹介患者さん以外で、当院で診てる方は歯の治療以外にも糖尿の方の日々の口腔ケア指導なども久保が行ってます。糖尿病と歯周病は深く関連してるので口腔ケアはとても大事。

糖尿病の方で「糖尿と関連した口腔ケアを指導してほしい!」と言う方がぜひ久保の外来を受診してください!彼女にもかなり勉強させてますんで分かりやすく説明してくれると思います(ご希望の方は予約の際に「糖尿病で口腔ケア希望」と受付でお伝えください)

一緒に疾患と向き合って治していきましょうね。

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