ルンバール後の頭痛の対処法
どこまで続くか真面目記事のコーナーです。
今回は「ルンバール(腰椎穿刺)後の頭痛」です。
ルンバール(腰椎穿刺)とはなんぞや?
脳・脊髄の浮いている「脳脊髄液」を採取する検査で、髄膜炎、くも膜下出血、ギランバレー症候群、多発性硬化症などが疑われるときに行う。(「いまさら聞けない看護基礎」より引用」)
多いんです、「ルンバール後の頭痛」ワードでこのコラムに入ってこられる方が。
何故かと言うと、私が全身性エリテマトーデス(略してSLE)診断の際に受けた検査のひとつで、痛みには相当強い私が「二度と受けたくない検査」として以前このコラムで紹介したからです…。
どこぞから画像を拝借しますが、海老反りになって腰椎に局所麻酔後、髄液を採取するこの検査がルンバールです。(ホントはパンツ下ろしてお尻まで丸出しです)
医師の腕によって、施術後の苦痛がかなーり左右されます。
私は主治医から施術前に「医療関係者だからいいよね♥」と悪魔の微笑が…。
ルンバール初めての研修医に腰椎を蜂の巣のごとく針を刺されまくり、途中局麻が切れ激痛で麻酔を追加し研修医から主治医にバトンタッチで代わっても髄液が取れず、挙句の果てには病棟PHSで呼び出した主治医の上の指導医がやってきていとも簡単に髄液を採取した…という経験があり、採取に1時間以上かかったため「先生、オシッコもれそう…」とトイレに行きたくて術後にすぐ立ってトイレに行かせてもらったら1週間激しい頭痛に悩まされました。
ルンバール後1時間は絶対安静で歩き回るのは禁忌。(最近はルンバール後の頭痛は腰椎への針の進入角度が原因らしく、施術後安静でなくてもOKという見解もあるそうですが…やはり針のこねくり回しが原因か?)施術後はストレッチャーで大げさに運ばれてベットに戻されるのが通常。それを歩いて病室のトイレに行って自分でベットに戻ったんです。
どんな頭痛かと言うと、起きていると天地がひっくり返りそうなほど激しい頭痛です。頭の中で除夜の鐘を打たれてるような激痛。
ええー、これもしかして一生治らなかったらどうしよう…と入院中泣きそうになりました。
対処法として頭痛が出た場合は主治医に報告し、主治医の診断にて硬膜外血液パッチ(腰椎硬膜外腔に患者の凝固静脈血を数mL注入)を行うと有効らしいんですが、私の場合軽い鎮痛剤(しかもカロナール。全く効かない…)のみ処方で、ホント大げさかもしれませんが「死」を覚悟するくらいの痛さ。食事も摂れないし、頭痛期間中は歩けなくて車いす生活を余儀なくされました…。
順天堂大学の先生いわく
ルンバール後の頭痛は頻度としては6-40%と報告によりまちまちです。約90%は穿刺72時間以内に起こります。頭から首・肩にかけて焼けたような痛みの放散、もしくは引っ張られるように痛みがあると感じることが多いのですが、18-40歳の若年、やせ気味の頭痛持ちの女性に起こりやすくことが統計上わかっています。
だそうです。
私、まるっきり当たってるやん!!
簡単にいうと髄液を抜くと頭の骨髄液が不足して、立ったり座ったりすると頭痛が起るとでもいいましょうか。寝てると頭痛がありません。
ルンバール後の頭痛の予防法として患者サイドで出来る事は、施術後にトイレに行かないでいいように術前にトイレを済ませておく(私の場合は入院中に病室で寝てたら急に主治医に病棟処置室に呼ばれて「研修医に1時間腰椎こねくりまわしの刑」だったのでトイレに行けなかった)、医師に「頭痛がすごく出やすいんです」と必死にアピっておく、絶対安静解除になったら水分をたくさん摂取しておく、でしょうか…。
頭痛が出たら1週間は覚悟して下さい。患者サイドでの頭痛の対処法はひたすら「寝る」です。
私が入院中はこの情報が全くネットになくて大変でしたが、最近は「腰痛穿刺」や「ルンバール後の頭痛」で検索すると結構な数がヒットします。それをご参照ください。
まあ、病気にならないのが一番なんですが。
以上、ルンバールの頭痛の記事がもう3年前なので新しく書いてみました。
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