魔法の薬
どこまで続くか真面目記事のコーナーです。
今回は「魔法の薬」です。
今CMがよく流れているアレ。
実は某製薬会社ファ○ザーとエー○イが共同で適正使用情報を提供しています。別に製薬会社からの回し者ではないんですが、これは実は某薬の大々的なプロモーション。
その薬は「リリカ」です。
もともと「帯状疱疹後神経痛」に使用されていた薬ですが、2010年10月末にやっと「末梢性神経障害性疼痛」という効能・効果の承認が下りたピカピカの新薬です。
本当に現在の痛みの概念を覆す薬の認定が下りたわけなので最近やたら宣伝してるんですね。
疼痛(痛み)というのは3つに分かれます。
侵害受容性疼痛
刺激や炎症による痛み。ケガをしたときに感じる痛みで、ケガが治ると痛みもなくなる。
神経障害性疼痛
ケガや病気が原因となり、障害を受けた神経が興奮し続けた状態。障害を受けた神経から、痛みを伝達する物質が過剰に放出される。たとえ痛みの原因や元の病気が治っても、痛みが長期間続く。少しの刺激でも強い痛みを感じたり、天気の変化や、何もしていないのに痛みを感じることもある。
心因性疼痛
心がストレスを受けることで、痛みを感じるようになった状態。
ケガの痛みというのは炎症により活性化される発痛物質が侵害受容器を刺激することによって起こる痛みなのでロキソニンなどの炎症鎮痛剤が効くんですよね。
それとは別に神経障害性疼痛は、神経の損傷部位により痛みが出ます。病態や発症機序が複雑で多彩なためロキソニンなどの炎症鎮痛薬の効果がほとんど期待できない難治性の痛みなんです。
その難治性の神経障害性疼痛に効く薬が今CM大量投入されている新薬、リリカです。
リリカの作用機序は、過剰に興奮した神経系において各種神経伝達物質の放出を抑制することで鎮痛作用を発揮すると考えられています。これは非常に画期的な薬なんです。
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と、小難しいことはここまで。
実は私、頸部椎間板ヘルニアがひどく手のしびれや頚の痛みで夜眠れないくらいです。しかも持病の膠原病全身性エリテマトーデスの筋炎も重なってもう「痛みに耐えるのもこれまた修行」的なくらいの疼痛でした。ロキソニンもブロック注射をしても全く効きません。右半身の疼きに耐えながら仕事をしています。仕事をしていない日は痛みと麻痺で家でダウンしています。常勤で仕事に出れないのはこの理由から。
先日、神戸の専門病院に通院した際に免疫内科の主治医に「痛くて死にそう」と訴えた所、血液検査の結果も悪かったのでついにこの新薬を処方してもらえました。
もう待ちに待ったリリカです。見た感じ何の変哲もないカプセル。
が、これこそが神経痛に悩む患者から「神の薬」「魔法の薬」とあがめられる薬なんです。免疫内科や神経内科(ヘルニアは神経内科領域です)の待合室で必ずおじいちゃんおばあちゃんの会話に「リリカで歩けるようになった」「リリカ様様」…と聞こえてくるくらい効果が絶大です。
ただ副作用も強い薬なので徐々に増やしていくというタイプ。良い薬はやはり副作用もあり諸刃の剣です。
私はまず副作用チェックもあり75mgを夜のみ処方されました。
私の場合、飲んだ1時間後位から効果があり神経痛がまるで嘘のようにピタっと止まりました。
すごい、リリカ!!
ホントに感動的な効き目です。
拷問に近いあの針山の上に寝かされてるような痛みはいずこへ??
ただ、リリカはちーっと「精神科領域」に近い薬でもあるので…私の場合薬を飲んでしばらくするとすごくハイになります(苦笑)主人に「うるさい」と言われるくらいにハイになります…。
そして強烈な眠気、だるさもやってきます。もうね、えらい「だるさ」です。飲んで2日目くらいまでは起き上がれませんでした。
まあ、1週間ぐらいで私の場合は自分である程度副作用とうまく付き合ってコントロールできるようになったのでこの週明けから75mgを朝夕に増量となります。
ホントに新薬っていいです(お値段もいいです。私は難病指定なので薬代は公費で無料ですが3割負担ならかなり高額なはず)
まだ飲み始めなので、分2(朝夕)になったらどんな効果があるのかレポします。
神経痛に悩む方はぜに医師に相談して処方してもらってください。QOLが格段に上がると思います。(神経内科、内科、外科、整形あたりで診断が付いたら処方してもらえると思います)
取り急ぎリリカレポでした。
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