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2014年3月30日 (日)

人間の心の闇

どこまで続くか真面目記事のコーナーです。

今回は趣向を変えて読書感想文です。

私は高校時代から読書が好きで結構な本の数を読んでます。ほとんどのジャンルを読みつくしたので、最近は歴史モノ系を読んでます。本読み好きが講じてフリーライター業を副業にするようになったくらいです。

最近、安達裕美さんが主演で映画化される「花宵道中」読みました。どうも安達さんのエロシーンのみがクローズアップされがちですが、実は悲しいお話です。

花宵道中の予告編はコチラ(アフィではないのでお気軽に)安達さん、きれいですね。いい女優さんになられました。

吉原・花街物は純文学が多くて読み応え&画像になった場合見ごたえありますね。過去の作品で言うと名取裕子さんの代表作「吉原炎上」、純文学の巨塔・宮尾登美子さんの「陽暉楼」、舞妓が水揚げをされるまでを描いた「おもちゃ」が有名です。全部見ましたけど、映像もキレいですし原作もなかなかの重厚感。

さて、表題の「花宵道中」の作者、宮本あや子さんは最近の作家さんのようですが、まだ粗削りですがかなり文章力があります。新進気鋭の期待される新人さんらしく、今後どんどん書いていったらいい女流作家さんになると思います。

この作品は1冊に何話かが収録されているんですが、登場人物がリレー形式なので1冊読み終わると「ああ、そういう伏線だったのか」ともう一度読むと謎解きが出来るようになってます。読み応えのある本でした。

イマドキの小説はどうも日々の恋愛だのくだらないものが多くて読む気になれないんですが、こういった作品は歴史背景も勉強になりますしいいですね。18R指定になってますが、そんなにエロくないです(苦笑)

毎夜毎夜違う男性に抱かれる毎日。感情は麻痺して心も体も痛みを感じなくなっていく女たち。そんな遊女たちの日常にひそむ心の闇や隙間を描く「吉原作品」はどれも非常に筆の立つ作家さんが多く、繊細な着物や簪、髪型、道中の様子や、心理描写が儚く美しい。

私たち医療者も患者さんの前では感情を出さないよう躾されてます。毎日毎日患者さんを診ていると中には理不尽な事や罵声やを浴びせられることもありますから、感情を殺して診察をします。かなり精神的に負担がかかります。医療関係者の自殺が非常に多いのはそういったストレスから。(一応、心理士もしてます)

医療の仕事は「神様のカルテ」みたいに美化されがちですが、実は現実は違います。たぶん患者から観た理想の医師像なんでしょうね(「神様のカルテ」読みましたが、あんまり共感できませんでした…)

脱線しましたが、人間の心の闇は深いです。特に過酷な状況に置かれている際は「現実を見たくない」と心と体が現実逃避をします。今も昔もかわらない。人間の世界はどうも生きにくい世の中ですね。

久々に考えさせられる1冊でした。

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