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2014年5月18日 (日)

追悼、渡辺淳一氏

どこまで続くか真面目記事のコーナーです。

今回は渡辺淳一氏の私的追悼です。

渡辺淳一氏が前立腺がんでお亡くなりになったニュースはまだ記憶に新しいと思います。

私は学生時代に読書に目覚め毎日のように本を読み漁っていたんですが、その頃によく読んだのが渡辺氏でした。渡辺氏のサイン会があった際には私の名前を入れてもらったサイン本を貰いに行ったくらいです。柔和な感じのオジサマでした。

渡辺淳一氏は晩年は男女の小説を書かれていたのであまりご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、元お医者さんです。(整形外科)

私は男女のドロドロとかを描いた小説が苦手なので晩年のエゲツナイ不倫系などはあまり読んでないんですが、初期の医学モノが好きでした。

渡辺氏は医者の傍ら小説を書いていて、それから臨床を辞めて本格的に小説家になったんですが、さすがに最新医療的な事は書けなくなったんでしょうね。お辞めになってからは男女小説ばかりになってます。

私個人的にはバリバリ臨床をして医学モノを書かれてる時の方が筆が立っているというか活き活きしていたように感じます。

私が渡辺氏の執筆の中で一番好きなのは「白夜」シリーズです。

渡辺氏の自伝的な小説で医学部での生活や研修医の時に手術が長引いてトイレに行きたくても行けなくて失禁してしまった話、整形外科の荒っぽい手術に戸惑ったり、臨床年数が経っていくうちに漠然と感じる「このままこんなことを何年もしていくのかな…」という不安など、医療に携わっている人なら思わず頷いてしまう内容です。

日々苦悩しながらも臨床医として成長していく姿を克明に、そして自伝なので主人公にかなり作者も感情移入しているので当時の渡辺氏のリアルな人生が書き込まれている秀作です。

他の医療モノもちょっと内容が古くて今の医療とは内容がやや剥離してはいますが面白いですのでオススメです。

小説家として医者をお辞めになってからは奔放な男女関係があったらしく、奥様は大変だったでしょうね…私なら嫌です(苦笑)。男女のドロドロ小説の中には川島なおみさんとの不倫を題材にしたものもあり、渡辺氏いわく川島さんはかなり「贅沢で大変だった」らしいです。

お医者さんから独立して小説家になられる方は最近多いですが、私が個人的に好きな医者作家さんは米山公啓さんですね。

この方ももうかなり著名になってるのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、元・聖マリアンナの神経内科のお医者さん。今は執筆の傍ら開業医(たぶんお父さんの医院)で臨床を細々しながら執筆活動をされてるはずです。

米山氏も初期の自伝モノが一番面白いですね。オススメは「医者の半熟卵」。

コチラも渡辺氏同様シリーズで、医学部学生から研修医、大学病院を辞めるまでがあります。半熟卵は第1巻的な位置づけ。落ちこぼれ医学生の日々の日常から神経内科医としての結構ホンネ的な事を書いてます。

最近米山氏はハウツー本が多いですが、やっぱり臨床系の悩める姿モノが面白いです。

初期のまだ聖マリで医師を続けている時、大学病院のゴタゴタを詳細に書きすぎて教授や医局員に睨まれ辞めざるをえなかった経緯など「ここまで書いて大丈夫?」的な本音を書いてらっしゃいました。最近はあまりこの方の著書は読んでませんが、初期の臨床シリーズが絶対に読んで損はない爆笑モノです。

あまりにも初期の米山氏の本が面白くて、当時ネットがまだそんなに普及していない時代、米山氏主宰の「ヨネヨネクラブ」なるものがあり、会費を払うと手作りの会報が送られてきたのを覚えてます。超アナログで米山氏と繋がりが持てて良いファンクラブでした。今はもうないでしょうね。

医療現場は「きれいごと」ではありません。頭に来ることがハッキリ言って多いです。最近の医療作家さんはとてもきれいな医療モノを書かれていて読まないんですが、医療の本音を書いてる本、みなさん良かったら読んでみて医療従事者の苦悩を少しでもお分かり頂ければと思います。

脱線しましたが、渡辺淳一先生、長きにわたり執筆活動お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。

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