特定疾患難病の公費医療負担についての私見
私は膠原病の全身性エリテマトーデス(略してSLE)に罹患しています。今年の夏で診断がついて早5年になります。
膠原病とは、非常に簡単に説明すると「自分の身体が自分の身体を敵とみなして攻撃してしまう病気」です。通常、健常者の方の場合は体の中にウイルスや菌などが侵入した場合、それらを異物として認識し攻撃して治そうとします。膠原病患者の場合は自分自身の身体を「敵」と勘違いして攻撃をするのでいろいろな臓器が攻撃を受けてしまいます。別名、自己免疫疾患とも言います。
膠原病はそういった自己免疫疾患の総称の事で、リウマチや強皮症、全身性エリテマトーデスなどいろいろと細分化されています。診断が非常に難しいので専門医の受診が望ましいです。
私はその膠原病の中の「全身性エリテマトーデス」です。
今から思うと学生時代からもう罹患していたと思うのですが、倒れたのがきっかけで診断がつき治療を続けた結果なんとか今は小康状態を保っています。ただ治る病気ではないのと難病で治療方法がなく一生のお付き合いにはなりますが。今も治療薬のステロイドを結構な量飲んでいます。
私の発症の原因や闘病日記はカテゴリーのSLEの所にまとめてあるのでご参照ください。
膠原病のつらいところは、見た目が健常者と変わらない事です。私も週2回診療に出ていますが「えー、病気に見えない」と言われることが多いです。
一見病気には見えないのですが治療薬のステロイドの副作用で体重が増えたり、顔がムーンフェイスといって丸くなります。女子には非常に嫌な副作用で「最近太った?」や「顔がふっくらしてきたね」と言われると膠原病患者は非常にそのことを気にしてるので傷つきます。足も浮腫んでゾウみたいになってます。ちょっとぶつかるとすぐに内出血を起こすので半袖も着れません。
外出したり仕事をすると翌日は体が鉛のように重くて疲れすぎて動けない、ステロイドが効かない午前中はだるくて起きれない…などなど。病気を知らない方からすれば「怠けてる」と思われがちです。
うちは自営業で主人が医療関係者なので理解があるため週2回午後だけの勤務など我儘がきくのですが、他の職場だったらたぶん働けないと思います。
難病患者の社会的行動が制限される中で、この1月からは安倍さんが難病患者を対象とした「特定疾患難病」患者への医療費の公費負担の大幅見直しを行いました。
もう憤慨で呆れるとしか言いようのない改定です。
難病患者は基本あまり働けないのに悪魔のような改定で同じ病気で苦しむ人たちから大顰蹙を買っています。「安倍は難病者は死ねというのか」とまでみんな診療の待合室で言ってます。難病患者とその家族からは安倍さんは支持をすべて失ったと言っても過言ではないはずです。それくらいのひどい改定です。難病者はベットで寝たきりの人が多いので選挙にいかないとでも思ってるのでしょうか。
アルバイト程度の収入のある方やご主人がサラリーマンの年収のある方の世帯の方の場合、今まで治療費無料&薬代無料だったのが1月から治療費&薬代がいっきに窓口負担2割になりました。他にも自宅で酸素吸入をされている方なども負担増になりました。
私も今までは薬代無料だったのが、1月からいきなり薬代が2割負担になり毎月2万円の出費になりとても痛いです。あまりにも薬代が高額で主人に申し訳ないです。家計に響きます。
難病患者の薬は特殊な薬が多く、非常に薬価が高いものばかりです。
私は患者でもありますが医療現場の立場でもあるので、働けず絶対に受診が必要な難病患者からの搾取ではなく、もっと他の公費削減や公費1割窓口負担をさせるべきだと…と憤りを通り越して呆れます。
大きな声を上げられない難病患者からは巻き上げて、「しがらみ」がある他の公費は手を付けない。政府や政治家の汚いやり方に呆れてものが言えません。
世間では特定疾患難病の自己負担増については全くニュースにもなっていないので現況を知ってもらいたいのであえて書きました。
病気のある人は生きにくい時代になりましたね。
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