【長文です】今回の入院に関して感じたこと
寒い日が続きながらも、日々春に近づいている気配を感じます。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
お陰様でとりあえず週末に神戸の専門病院から退院してまいりました。ただまだ術後の急性期が終わったという意味での退院で回復期のリハビリが待っています。
臨床復帰はまだ先にはなりそうですが、入院中に溜まっていた確定申告の資料整理や事務労務などをこなしつつ自宅療養しております。
早く臨床復帰が出来るようリハビリに努めたいと思います。
来院する患者様からご心配の声等を頂いたとの事、ありがとうございました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。
求人やその他お問い合わせ等も入院中に何件か承っているようなので、週明けより対応致しますのでよろしくお願いします。
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では、今週のお知らせです。
歯科衛生士の坂本がリゾートウエディングのためしばらく有給で不在です。私も現場に出ておりませんので治療ができるスタッフが主人と岡田だけになります。
受付にて予約管理制限はしておりますが、かなり混みあうことが予想されます。予約外の方はお待たせするかと思いますので何卒ご理解ご協力の程お願い申し上げます。
バレンタイン企画がかなり好評だったようなので、歯科助手スタッフたちが次の企画を考え中です。ご期待ください。
今週もスタッフ一同頑張りますのでよろしくお願いします。
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下記より今回の入院で感じた個人的見解が書かれてあります。
長文になりますのでPCの方でご興味のある方は「続きを読む」で開いてください。スマホの方は下に記事が続きます。ご興味のない方は飛ばしてください。
私は開業してから今まで持病関係で入退院を繰り返しています。
今回は3年ぶりの久々入院だったのですが、感じたことは以前の入院の時に比べて医療現場でのデジタル化に伴う業務作業の効率化や、治療計画やケアプラン・クリニカルパスの向上、看護部の徹底した教育が行き届いていました。
医科看護の作業効率のスピード化や各種サービスを目の当たりにして、歯科も医科看護を参考にもっと現場の改革を図っていくべきだなと感じました。
業務効率化・サービス化と合わせて、コンプライアンスの徹底や「こんなことまで?」と驚くほど細かい事柄に関する説明同意書の数々に驚きました。
医事課が患者に対して署名をするのが嫌になるくらい恐ろしいほど多くの、そして細かい同意書の数々を発行している理由はすぐに理解できました。
それは今回の入院時にもよく病棟で見かけたのですが、昨今の患者や患者家族の目に余るモンスター化やクレーマー化でした。
第三者的にクレームを見聞きしていると、頑張って働いている医師や看護師たちが不憫に感じ患者や患者家族の理不尽さに憤りを感じました。
私は医療現場に身を置いて20年になりますが、昔の患者と医療関係者との関係はもっと朗らかで細かいことを言わなくてもそれなりの信頼関係が築けていたと思います。
なぜ、ここまで昨今の患者がモンスター&クレーマー化してしまったのか。
私見ですがインターネットの普及が原因ではないかと感じます。
今は検索するとある程度の医療情報を得ることができます。実際に私も自分の病気のことをよくネットで調べます。
しかしネットに書かれている情報はあくまでも「統計学的な医学教科書」な内容です。実際の臨床は患者の状況によって病状も治療法も十人十色です。
ネットでの医療情報はあくまでも病状の参考程度にしておくべきです。
ネットでの文字写真だけの知識は、日々数多くの患者の患部を見て治療をしている臨床に携わる者の知識とは比べ物にはなりません。
いくらネットで医療的な事柄を研究し尽くしたとしても、臨床現場での「経験」には勝てないことを理解してもらいたいと思います。
患者患者家族がネットで調べに調べた教科書的な知識でプチドクター化してしまった弊害としてモンスター&クレーマーが増えてしまったのではないかと私は推測しています。
上記にも記載したように臨床は教科書通りにはいきません。やはり臨床数を診て・看て「経験」している医療関係者には患者は太刀打ちできません。やはりそこは国家資格を持ったプロと素人との違いです。やはり「餅は餅屋」です。
ネットの情報で自分自身で診断してしまい、その自己診断が医療サイドの診断と違った場合に患者がクレーマー化しやすいということをよく現場仲間から耳にします。
私の個人的見解ですが、ネットは参考程度にしてもっと医療関係者の診断や言葉・行動を信じてほしいという事です。
どうしても人間同士ですから「人的に合う・合わない」医師・医療関係者もいるかと思います。主治医と合わない等でセカンドオピニオンに行くのは良いと思いますが、各種検査画像の結果には「標準治療」というものがありますので、どの医療機関にオピニオンに行っても大きく診断や治療法は変わらないと思います。
逆に多くオピニオンに行きすぎると「難民患者」でさまよい続けその間に治療時期を逃してしまう可能性もあります。記憶に新しい所では某歌舞伎役者の奥様などがこちらに当てはまるのではと思います。
私は自分自身が病人であり、そして一医療関係者でもあります。
どちらの気持ちも分かります。病気の不安も、現在の患者への治療対応の難しさも。
でもこれだけは言えるのは、私自身は主治医を全面的に信頼して治療を受けているということです。信頼しざるを得ないと私は思っています。
だって私はいくら調べてもその分野では「素人」ですからプロには勝てません。
お互い気持ちよく治療をしたいものです。情報過多に惑わされずに患者さんはもっと医療関係者を信じてほしいと切に感じた入院でした。
私がこちらのコラムに自分の闘病記以外での治療情報(歯科での症例や治療方法、症例写真掲載などの臨床的な事)を書かないようにしているのは、実は患者様に情報過多で迷わせないようにという配慮から、なんです。
なので歯科臨床的な事を知りたい方は申し訳ないのですが当院コラムにはほとんど歯科治療を載せていません。
…とこの9年その意志を貫いてコラムを書いてきました。よく「なんで口腔外科なのに症例や術中患部画像を載せないの?」と言われますが、そんな理由からです。症例写真って血まみれで医療関係者以外の方から見たらグロで気持ちの良いものではないですし、分かりづらいですからね。
こんなコラムでよろしければ、これからも日々のたわいない事やたまに私の闘病記を書いていきますのでよろしくお付き合いください。
落ち着いたら今回の入院の手術レポを書いていきたいと思います。同じ病気で闘病中の方の参考になれば(あくまでも参考までにして下さい)幸いです。
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