レディー・ガガさんもセレーナ・ゴメスさんも 難病啓発の重要性
レディーガガさんが先日休業を発表されました。画像は報道サイトより引用
線維筋痛症とは?
線維筋痛症 (FM)は関節、筋肉、腱など身体の広範な部位に慢性の「痛み」と「こわばり」を主症状とし、身体の明確な部位に圧痛を認める以外、診察所見ならびに一般的な臨床検査成績に異常がなく、治療抵抗性であり、強い疲労・倦怠感、眼や口の乾燥感、不眠や抑うつ気分など多彩な身体的訴えがみられ、中年以降の女性に好発する原因不明のリウマチ類似の病気です。リウマチ情報センターより抜粋
原因不明で診断基準がちょっと曖昧なので医師でも免疫専門でないと確定診断が難しい疾患の一つです。
「線維筋痛症」もそうですが、膠原病などの免疫疾患の一つに身体の痛み(筋肉や関節)があげられます。
痛みの感じ方は個人個人違うのでエビデンスがとりづらいのですが、どんな痛みかというと私の場合は筋肉の内部を鈍器で叩かれ続けているような痛み、筋肉がこわばって動かない、動かすと電気が走るような痛さが駆け抜ける、特定の関節がずくずくと疼く、少し動くだけで全身筋肉痛で翌日は寝たきり、体がだるくて起きれないときがある…等々。
ガガさんも自身のSNSで「絶えず全身が痛い。例えば血管にガラスが流れるようだとか、釘で引っかかれているとか、光が当たっても痛い。外を歩けば、風に当たっても痛い。生きていることが辛いです」と表現されています。
ガガさんがおっしゃることは良く分かります。本当にこの痛さや辛さはなったことがある人にしか分かりません。
ガガさんは叔母が私と同じ病気であるSLE(全身性エリテマトーデス、特定疾患難病の一種で免疫が自分自身の身体を敵・異物とみなして攻撃してあらゆる臓器を壊していく病気)で5年前に他界しているんです。
自身もずっと続く疲労感や全身の痛みからSLEの検査を受けたところ、SLEではなく「線維筋痛症」と診断がついたそうです。
ガガさんは休業するものの、この病気の認知普及のための啓発活動を行っていくとの事。
著名人がこのように自身の病気を告知し啓発を行うことに私は大賛成です。
免疫疾患は見た目は健常者と変わらないので「サボり」「怠けてる」と思われがちですが、とてもつらい症状と日々戦っています。周囲の人たちの理解を得るためにはこうした広報活動はとても重要だと私は考えています。
私もこちらのコラムは匿名ではなく実名公表で行っている訳で、同疾患で苦しんでいる方々に微力ながら貢献できればと記事を書いています。
お陰様で診療所には同じSLEやいろんな免疫疾患の方がこのコラムを見て受診に来て下さったり、お問い合わせやお便りをいただくこともあります。
先般、歌手のセレーナ・ゴメスさんもSLE悪化で腎臓をやられてしまい腎移植を行ったそうです。日本ではダメなのですが身内以外からの腎提供で話題になりました。彼女もSLEの告知啓発活動を行っています。
あまり知られていませんがマイケルジャクソンさんもSLEでした。彼はSLEということをあまり公にしていなかったようですが、出来れば生前にもっと疾患について啓発活動をしてくれていたらと悔やまれます。
ガンや3大疾患のようにメジャーな病気でない疾患はこのような著名人の方が告知してくれると励みになります。
今後、ガガさんやセレーナゴメスさんの啓発活動を応援していきたいと思います。
治らない難病、理解されにくい疾患、一生の投薬で辛いですが出来るだけ前向きに「体が動ける時間」を大切に生きていきましょうね。
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