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2019年4月 6日 (土)

持病通院中でも…人間ドックに行きましょう!!

久々の私の持病である難病指定SLE(全身性エリテマトーデス)に関する記事です。興味のない方は飛ばして下さい。

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私は持病で難病があるため2か月に1回片道約3時間かけ専門病院に通院しています。

専門病院では毎回膠原病内科で採血、採尿、薬の副作用のチェックで眼科受診、手の麻痺の診察で神経内科、整形外科と1日仕事で診察を受けています。持病に関することは結構隅から隅まで調べてくれてます。

こんなに毎回検査しているし、特に持病以外の疾患もこの検査中には出ていないので大丈夫と思ってました。

そう、あの人間ドックを受けるまでは。

毎年とりあえず健保から「必ず40歳以上は人間ドック受けて下さい」と言われるので、主人と何となくとりあえず近隣のオーソドックスな人間ドックを受けてました。

よくある「ハイ採血採尿ー、胸のレントゲンー、腹部エコー、胃カメラー、うん問題ないですね☆という数秒な医師との面談、おわり」的な流れ作業なアレです。だいたい費用はオーソドックスなこんな感じの人間ドックで一人5万前後でした(とにかく近隣の人間ドックにいろいろ行ってみました)

毎年「特に変わりないですねー」でおわりな感じです。

たしかにそのオーソドックスな検査内容では「n.p(問題なしというカルテ用語)」です。一応医療にかかわる人間ですから送られてきた検査数値は読めます。たしかにコレステロールが二人とも高いですが許容範囲内で他は問題ありませんでした。

私の場合はさらに膠原病などで持病があるため、上記の人間ドックより詳しい血液検査もしていますが持病の病状的に安定している状態。

でもでも、なんか身体がだるいんです。倦怠感が強く筋肉が痛い。とにかく眠いしだるいししんどいし…。一番感じたことが集中力の欠如。ここのコラム書きは得意だったのに何も文章が浮かばないしギリギリまで書けない、事務仕事も全くはかどらない…と厄介な不定愁訴。年齢的に更年期かなぁ近くの婦人科にかかりホルモン検査をするも「まだ更年期じゃないですよ」と否定される始末。持病の悪化でもない、更年期でもない、ならこの倦怠感はいったい何?ただのサボり??

なんか気になります…。

主人もなんか「最近しんどいわー」と言い出す始末。

やはり40歳も後半になるといろいろ身体もガタがきます。医療を提供する側が身体が悪いというのもおかしな話ですよね。

そんな時に医院にちょっと質の良い人間ドックの営業さんがお見えになりました。

いろいろ話を聞いてみるとうちの医院と同じく「医療も接客業、おもてなしなんです」とのこと。主人も私もそれをコンセプトに今まで医院経営を行ってきましたが実際に自分たちがそのようなコンセプトの医療を受ける立場になってどう思うか、どう感じるか、それを医院やスタッフにフィードバック出来るのではないかと感じ、今回その「ちょっと質の良い人間ドック」に主人と二人で行ってみることにしました。

清水の舞台から飛び降りるような金額でビビりましたが…(苦笑)まあそれも経験です。

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京大にあるハイメディック、先進医療生活習慣病研究センターというところで人間ドックを2日間受けてきました。なんと、あの山中教授のIPS研究所の横です。

小心者の私たち夫婦には「なんか敷居高くない?場違い?」とビクビクしながらハイメディックへ。きれいな受付フロアで入るなりカッコいいスーツにスカーフを巻いたコンシェルジェに「おはようございます。眞砂様。お待ちしておりました」と丁寧に案内されます。よく見たらユニフォーム、ほぼうちの受付と同じでした。

その日の流れを個々にコンシェルジェから専用デスクで説明を待合室で受けてから、人間ドックセンターに通されます。人間ドックセンターも高級ホテル風でコンシェルジェの方から個々の専属看護師に引継がれて着替えをします。更衣室もホテル仕様。高そうな会員制ジムの更衣室のようです。検査着もいつもの人間ドックのパリパリに糊が効いて洗いまわされたペラペラなものではなくナガイレーベンの高級ライン、そしてフカフカのガウンを羽織ります。

着替え終わったら専属看護師から個室で細かく問診。

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今回私たち夫婦が受けるのはこんな感じのメニューです。

問診後は人間ドック内の待合スペースで呼び出しを待ちますが、フカフカソファーに高級ラインナップな雑誌が置かれており「どうぞ、お水がなくなりましたらご遠慮なくお申し付けください」とペットボトルを頂きました。

待合スペースはなんだか皆様ブルジョアでハイソな年配のオジサマオバサマが慣れた感じで「いかかでしたか?オホホ」な上品なお話をされています。私たち夫婦は場違いアウェーで慣れない子羊のように端っこのソファーで小さくなってました(笑)

各検査には専属の看護師、放射線技師、検査技師さんがついており、どの方もきちんと教育されているなと感じる接遇対応で気持ちの良い受け答えでした。さすがハイメディック。どんな接遇教育をしているんだろうと興味津々です。マネしたい所を必死に脳裏に焼き付けておきます。

スタッフの質もそうですが、検査の質も高いです。普段の人間ドックではしないようなガン検査のPETや全身のMRI、上半身全体のエコー、女性なら最新の乳がん検査や子宮内診もセットです。

毎度胃カメラの際のセデーション(鎮静麻酔)は私は全く効かなくて鎮静をしながらも意識下でオエオエ嗚咽しながらの悶絶阿鼻糾問地獄だったのですが、今回の先生のセデは胃カメラ前に熟睡して気がついたら回復室でした。こんなにセデが効いたのは人生で初でなんだか嬉しかったです。

そしてこれも人間ドックではめずらしい「OGTT」。糖尿病の検査です。炭酸砂糖水のような検査液を飲んでから30分ごとに採血をしていきます。

そんなこんなで、二日間びっちり検査をした後は担当医師から説明があります。ひとつひとつ画像、検査結果を一緒に確認しながら説明してもらえます。私の場合は若い女医さん(上記セデーションをかけてくれた凄腕女医さん!)で、主人は年配の男性医師だったとのこと。説明時間なんと30分!さらっと検査結果に目を通して「問題ないですねー☆30秒で医師との面談終わり」ではなく丁寧でした。

検査の結果、私は持病のほかに甲状腺ホルモンが低下して橋本病にかかっていること、甲状腺に良性腫瘍があること、持病の薬のステロイドの副作用でステロイド性糖尿病に罹患しているとの事でした。

甲状腺は甲状腺エコーと普段調べないような細かい血液検査で発見され、糖尿はOGTTで見つかりました。両方普通のオーソドックスな人間ドックではない検査です。

私が感じていた「だるい、眠い、しんどい、集中力がない、筋肉が痛い」等々の不定愁訴は橋本病からでした。膠原病患者には併発して甲状腺疾患にかかる方が多いそうです。でも持病の2か月に1回の血液検査には甲状腺の項目が入っていないので見落とされていました。

糖尿病は持病の血液検査でもあり特に問題なかったのですが、隠れ糖尿病の一種らしくOGTTなど詳しい検査をしないと出てこないものでした。

SLEに加え橋本病、糖尿病とトリプルコンボになってました。病気が見つかってとにかく診断名がついて良かったーと医師との面談でスッキリしました。しかもかかりつけ医に紹介状を書いてくれるとの事。丁寧ですね。

医師との面談の後は看護師の生活指導でアレコレこうしたほうが良いですよ等お話がありドック終了。

着替えた後は受付で例の素敵なコンシェルジェから「お疲れ様でございました。本日のスケジュールは以上になります」と野菜ジュースとアンリシャルパンティエのフィナンシェが出ました。こんなところまでいちいち高級(笑)

ちなみに主人はコレステロール以外は上記検査でも特に大きな異常はなかったとのこと。よかったです。

高いですが、やはり値段に比例した「おもてなし」ってあるんだなぁと痛感した高級人間ドック体験でした。言うなら外資系の高級ホテルのようなおもてなしとスタッフ教育をベースとした「リッツカールトン人間ドック」とでも言いましょうか。気持ちの良いきめの細かいサービスを受けるということが体験できました。

今後医院の運営に関する事やスタッフ教育はこうしたらいいんだなぁと刺激になりました。良いものを提供するには自分が良いものを体験しないと、と感じました。

あと、持病の通院で毎回検査してるしーというルーティンな甘えは危険ということ。

持病で通院して毎回主治医と面談していてもあくまでの「持病」の診察をしているという事、全身をくまなく診ているわけではないので必ず人間ドックで持病以外も検査をして早期発見早期治療が大切だと痛感しました。

おかげで、これから橋本病の詳しい検査をしていくことになりました。

人間ドックに行く際は奮発してちょっと良いトコロに行くか、病院が指定されている場合はフルオプションでされることをお勧めします。

ということで人間ドックレポでした。

追記)この記事を書くのに集中力切れでかなり時間がかかりました。文章書くのが好きな昔なら頭から文章が溢れてきてささっと書けたのですが…病気のパワーってすごいですね(苦笑)変なところで実感しました。

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