膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。
興味のない方は飛ばして下さい。
「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。
過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。
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1回目のサフネローでは先生の予言通り「易感染性」の洗礼を浴び「ただの風邪」をこじらせてしまった私。
咳、痰、のどの痛みが長引き「これ絶対治らないやつやー!」と思っていたのに2回目サフネローの点滴受診日の2~3日前あたりに回復しはじめて当日には風邪は完全に治ってしまいました。
これを「通院前に症状が治ってしまう」あるあると言います(笑)
身をもってサフネローは感染しやすいと分かったので2回目は気をつけよう(といっても1回目もそこそこ感染予防していたんですが)と心して受診しました。
主治医に「サフネローの後、自覚症状どうやったー?」と診察の際に聞かれたので
①筋肉の痛みがスーッとすぐに取れたけど効いていた実感は2週間くらいでそれから徐々にいつもの痛みがぶり返してきたこと
②普通に生活していたら風邪に罹って死にかけていたが受診前に治ってしまった
と伝えました。
血液検査の結果は関節の炎症の数値が少し下がってきて触診で指の関節の炎症のブヨブヨ感がちょっと改善してるような気がするかも?とのこと。関節炎にサフネロー効いたみたいです。私自身はまだ関節の痛みは効いた感じはしませんでした。
主治医曰く、SLEを長く患っていると血液検査的には悪化増悪な数値はデータとして出てこなくても、身体のだるさや関節や筋肉の痛み、脱毛や頭痛、皮疹など内臓系の炎症疾患まではいかないけど不快な各種症状がまたじわじわ出てきやすいんだそうな。
SLE疾患歴の長いプロの人は症状が出ても「まあしんどいし辛いけど、SLEってこんなもんかな」と変に納得し我慢してしまいがち。血液検査も悪くなってないし医師も診察歴が長くなってくると「まあ、こんなもんでしょう。お薬出しときますねー」とルーティン診察になりがち…。という悪循環になります。
私もSLE歴10年以上のプロ選手になっているので多少しんどくても難病でまぁ治る病気でもないし、しんどくてもこんなものと思っていました。しんどくてもこんなもんで騙し騙しで無理してたんだなと思います。
サフネローはそんな血液検査に変化がないのに不快な諸症状が出てきている長期SLE罹患患者を改善すべく彗星のように現れた新薬です。
サフネローは新薬でまだ特定の病院でしか使えないらしく、遠方で通院は大変でもきちんとした専門医に受診していてサフネローの治療を受けることが出来て本当に良かったなぁと実感しました。
今日も診察の後にサフネロー点滴です。前回のサフネロー1回目の時に帯状疱疹ワクチンが間に合わず今日2回目のサフネローの時に一緒に接種しましょうという事になっていました。
相変わらず混み合っている外来化学療法室で順番を待つことしばし。今日はなかなかベットが空かないらしく隣の外来処置室のベットで点滴を受けることになりました。
「帯状疱疹のワクチンは…まあちょっとしんどいけど頑張ってねー」と主治医に脅されていたのでちょっとビビってました。
帯状疱疹のワクチンは基本50歳以上の方が対象で市町村などで補助があったりするのですが、私はまだ50にはなっていないんですがサフネローのような易感染性の副作用のある薬を使う場合は例外的に自費診療ではありますが接種可能となります。
私が打つ帯状疱疹のワクチンはシングリックスです。
シングリックスとはなんぞや?
- 病原性をなくしウイルスの一部のみを使用した「不活化ワクチン」
- 50歳以上で97.2%の予防効果があり、10年後も80%を超える長期予防効果
- 副反応として、注射部位の痛みや腫れ、全身的な倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱などがあり、弱毒生水痘ワクチンよりも副作用は多め。
- 弱毒生水痘ワクチンより高価(2回接種で40,000円以上)
- 2回接種が必要 (グラクソスミスクラインHPより抜粋)
だそうです。値段が1回2万円になるので常時在庫していないらしく取り寄せ薬剤です。もう一種類帯状疱疹ワクチンがあるんですが、シングリックスのが効くそうです。
点滴とワクチン接種にきた明るい若めの看護師さんに「帯状疱疹ワクチンたぶんコロナワクチンより痛いかも。って患者さんが言ってたよ。知らんけど( ´艸`)」と言われながら利き手じゃない左肩に打たれました。筋注なのでやっぱり痛いのと重だるいです。
その後サフネローの点滴開始です。バイタル(血圧、血中酸素濃度、体温)を測ってから留置針を入れます。私は血管がヤル気がないらしく採血やルートが取りにくいタイプ。今日も留置針を入れても逆血してこず沈黙を守る血管たち。3回ほど入れ直してなんとか入りました。
留置針、痛いから私あんまり好きじゃないです…。
早く点滴を落とすと生物製剤は効果がなくなるらしく今日もゆっくり点滴です。
サフネローの薬液が体内に入ると冷たい感覚と首筋から肩にかけての筋肉がスーッと緩んでいくのが分かります。筋炎に関しては即効性めっちゃあります(私の場合)。
点滴が長いのでスマホを見ながらでもいいんですが、若干老眼が入ってきているので見るのがしんどいのでカーテン越しに何の処置をしているかなどをボーっとしながら聞いて過ごしています。
この日は急変が多いらしく看護師さんがバタバタしてる感が伝わってきてなんだかシビアな雰囲気。一応医療関係者なのでどんなことが起こっているかや医療用語が分かるので大変だなぁと感じつつ過ごします。
そんなバタバタ中でもきちんと数分ごとに点滴の確認に来て下さりありがたいです。
無事サフネローと帯状疱疹ワクチンも終わり遠い遠い自宅へと帰りました。
前回は風邪で死んでいたので今回は感染予防もばっちり!前回ほどしんどくないだろうと高を括っていたら…今回は予想外の帯状疱疹ワクチンの副作用が!
ワクチンって簡単に言うと一回その病気に軽くかかって免疫をつける的な感じです。帯状疱疹ワクチン、キツイとは聞いていましたが
本当にキツイです!!
打ってから1週間から10日間くらいに副作用が起こりやすいとの報告ですが、私は接種後3日目くらいから異変が。起き上がるのも辛いくらいの倦怠感と37度5分くらいの微熱。そしてなんか身体がゾビゾビする?寒イボが全身にブワッと出る感じ?ヘビが身体を這う感じというのでしょうか。これがかの言う「悪寒」なんだなぁと。頭もガンガン痛みます。
それから1週間、書いてあるすべての副作用すべてエンジン全開でワクチン頑張ってくれました(泣)
2回目のワクチン接種は2か月後とのこと。2回目の方が副作用が強く出るので今から驚愕して慄いています。
帯状疱疹に罹ることを思えばマシですが、帯状疱疹のワクチンは甘く見ていると副作用にビビるので心して挑んでください。
そんな感じで今回は相変わらず普通に生活してまた軽い風邪をひいたり、帯状疱疹のワクチンで死んでいたり…で辛い1カ月でした。
また案の定、次の診察日の2~3日前から改善し診察日には風邪も治り副作用も落ち着いていました(笑)
次は3回目サフネロー受診についてレポしますね