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2023年10月28日 (土)

SLE治療薬 サフネロー5回目 爪周炎になる

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

興味のない方は飛ばして下さい。

「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。

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「サフネローはとにかく感染しやすくなるので気をつけて」という主治医の言葉の通りサフネローが開始されてからずっと風邪気味です。

痰が喉に絡むことが多く、年配のおじさんが「カーッツ、ペッ」としている気持ちが分かるようになりました。粘っこい痰が常にスライムのようにべたーっと気管に粘って張り付いている感じが気持ち悪いです。病棟のベットに備え付けてある吸引器でガガガーと痰を吸い上げて欲しい、そんな絡まり方です。

今品薄で貴重な処方薬「カルボシステイン(痰切り)」を飲んでも効果を感じられません。

日常生活は自宅と職場の往復、習っている茶道のお稽古くらいで殆ど出歩くことがないので、サフネローの点滴をしに都会に通院している時に人ごみや院内でウイルスをもらっているんだろうなと感じます。

サフネローを開始してからSLE独特の身体の怠さや痛みは劇的に減りました。劇的に症状が減った分「治って動けるようになった」と勘違いしてしまう事があり、いつも以上に無理をしてしまって薬の効果が切れてくる3週目頃にバテて寝込んでしまうパターンがここ何回か続いています。

3週目頃になると自分がSLEの患者なんだなと改めて思い出す、そんな感じです。

で、前回の4回目のサフネロー通院の直後から左足の親指の爪に痛みを感じ始めました。

私が住んでいる地方は車がないと生活が出来ない場所で、自宅から目的地までの移動は必ず車です。歩く事はほとんどありません。しかし都会に来るとどこも徒歩で移動するので毎回1万歩前後、7キロくらいは歩いているので日ごろの車生活の運動不足を実感します。

歩きすぎて靴擦れかな?と思っていたら左足の親指の爪の端あたりが赤く腫れあがってきました。

暫らくしたら治るだろうと思っていたら炎症はどんどん波及していき親指の爪を囲むように炎症がすすみモリモリとミニブロッコリーのような肉芽を作り始めました。

さすがに痛くて靴が履けなくなり出かける時もスリッパでないと歩けなくなりました。

肉芽が出来た時点で「ちょっとコレやばいかも」と皮膚科の予約を取ろうとしたら直近は予約がいっぱいで辛うじて1週間後に予約が取れました。

その待ち時間の1週間の間でズキズキした痛みは増していき肉芽はどんどん育ちます。

で、やっと皮膚科受診日。

問診表に「サフネロー点滴後より左足親指が炎症で腫れてきて肉芽が出来ている」と記載。順番がきて看護師さんに呼ばれ処置室のベットで靴下を脱いで待っていると顔見知りの皮膚科の先生が「サフネローって知らないから調べたら生物製剤なんやね」と入室してきました。

私の育った肉芽を診て「生物製剤って爪囲炎をよく起こすって書いてあったわ。だいぶん腫れたねー!爪に食い込んでいるから爪を剥いで処置するよ。ちょっと痛いから頑張って」とペアン鉗子で勢いよく爪の1/3くらい剥がされました。

ちょっとどころか、かなり痛いです!!!!なんか爪剥ぎって拷問ありましたよね?何かの拷問?という痛さです。

その後は炎症と肉芽部分を謎の薬で焼き一番強力なステロイド軟膏でベタベタ塗りで足の指に包帯グルグルになりました。

そんな感じで毎週通院して謎の薬や液体窒素やらで肉芽を焼かれてからのステロイドベタベタでようやく次のサフネロー通院前くらいに治りました。

5回目のサフネロー点滴をしにまた神戸の専門病院に通院した際に免疫内科の主治医に上記の「足の指に爪周炎を起こして大変だった」旨を話したところ

「サフネローしてる人って足の爪の周りが腫れる場合があるんよね。ウイルスの感染ではなく深爪や靴擦れなどの小さい傷に足の雑菌が悪さをして炎症を起こしやすいからよく足の裏洗ってねー」とのこと。

なんか私「足の裏あまり洗ってない不潔な人」認定されたみたいでちょっとだけ恥ずかしかったです(苦笑)

サフネローされてる方、足の裏は洗いすぎくらいよく洗って下さいね。冬場のブーツも蒸れて良くないそうです…。

そんな感じでサフネローは毎回マイナートラブルが多い印象です。強力な薬は副作用も何かしらあると言った感じでまぁ仕方ないですね。薬とうまく折り合いをつけて生活をしていなかいといけません。

で、今日も点滴をして帰ります。点滴処置室の待合室は老若男女で大混雑。まあこんなに病人だらけの人ごみなら何か感染するわなぁとゴホゴホ咳をしているおばあちゃんの横に座りながら感じました。

本日は私と同年代と思しき看護師さんです。明るい感じの方で「はいはーい、サフネローですねー。30分がんばってね!」とサクッとルートを1発で決めてくれました。

サフネローの冷たい感触と共に首や肩の筋の痛みというか筋肉の痛みが緩んでいくのが分かります。サフネローサイコー!

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本当は点滴中は寝たいんですがこの効く感触を感じたいので頑張って起きてます(笑)

サフネローは点滴の滴下速度が決まっているので数分にひとりだれか確認で看護師さんが「大丈夫?」と声をかけてきます。先ほどの明るい同年代の看護師さんが点滴確認に来た際に駅前に小さいお洒落なパン屋が出来たと雑談で教えてくれました。

神戸はパン屋さん多いので買って帰る楽しみがあってワクワクします。

幸福の30分はあっという間でサフネロー後の生理食塩水の点滴も終わりました。起き上がると少し頭痛がしますが毎度のことなので我慢。

劇混みの会計待合室はゴホゴホ咳き込みお年寄りで空気がモワーンとしているのでサッサと会計を終わらせ帰途につきました。

点滴後は気だるさと軽い頭痛のまま3時間、揺れMAXの特急くろしおで帰るのは非常に疲れます。

都会に住んでると通院楽だよなー…。これが毎月、一生続くのかなぁ…と思うと少し憂鬱になってきました。

健康って本当にすばらしい、病院に毎月来て治療を受けなくていいってほんとにいいなぁと羨望する自分がいます。通院がストレスにならないよう都会に来たら美味しいパンを買う、カフェでお茶する、など楽しみを見つけて通えるようにしたいと思います。

次回通院は1か月後。またたぶんマイナートラブルが出ていると思うのでその報告と通院記録を載せたいと思います。

追伸:冬になり乾燥してくると手の爪のささくれも感染しやすくなり爪周炎を起こすようになりました。医療関係者なので爪の白い所が見えたら切りそろえていたのですが深爪と乾燥で罹るみたいです。最近少し白い所を残すように切ったり爪の周りの保護で透明の保護マニキュアをしています。仕事柄、爪が伸びてる感じ&ツヤツヤし過ぎが気になりますが仕方ないですね…

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