SLE通院日記・サフネロー

2023年9月30日 (土)

SLE治療薬 サフネロー4回目・帯状疱疹ワクチン接種2回目(その2)

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

興味のない方は飛ばして下さい。

「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。

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前回のサフネロー4回目の治療記が長くなったので続きです。

帯状疱疹のワクチン1回目の時は副反応という副反応がすべて出現(悪心、頭痛、その他不快症状。こちらの1回目接種の感想コラム参照)して死にかけていたので、2回目ワクチン後の副反応にかなりビビってました。

確かに接種後は頭痛と怠さはあったものの1回目ほどではありませんでした。

実は主治医にも言いそびれたのですが、1回目の帯状疱疹ワクチン接種後の1か月後くらいに…実は帯状疱疹になりました。

左の肩甲骨から背中にかけてチクチクしだして独特のあの赤い発疹ができ頭痛、発熱しました。

…ってコレってもしかしてもしかすると帯状疱疹??!

ちょうど発疹が出現したときは3連休の初日だったので近所の内科も休み。主人にも「これって帯状疱疹ちゃうの?」と背中を見てもらったら「うーん、帯状疱疹っぽいなぁ。というか帯状疱疹やなぁ」とのこと。

救急に問い合わせて自分の車で行こうかなと思ったのですが、先日大ゲロ感染性胃腸炎で意識を失って救急車で行ったところだしなぁ…。まあ主人(一応口腔外科で顔周りの帯状疱疹を診ている)が診断してくれたしなぁ。

なんてノタノタしていると発疹も増えてきました。

帯状疱疹が出現したら72時間以内に抗ウイルス剤を投与しないとあんまり効果がありません。たまたまうちの医院にヘルペス治療用に抗ウイルス薬「バルトレックス」を常備していたのでそちらを主人に処方してもらいました。

幸いそのお陰か1週間くらいでチクチクと発疹は消えました。

みなさんは変な痛みがある発疹が出たらすぐに皮膚科か主治医に連絡して下さいね。

コロナでご存じだと思いますが、ワクチンを打っても100%防げるわけではありません。私もこの1回目帯状疱疹ワクチン後におそらく帯状疱疹に罹ってしまって免疫がついてしまった?から2回目の帯状疱疹ワクチンの副反応がさほどではなかったのかもしれません。

本当にサフネローという薬は帯状疱疹に罹りやすいんだなぁと身をもって感じました。サフネロー受診中の方はワクチンを打っても万全ではないのでお互い気をつけましょうね。

サフネローはやはり2週間くらいで切れるのが分かります。肩や首の引きつる様な筋痛や手の手指のむくみや関節痛が出てきます。3週目には完全に切れて「いつも通りのSLE」に戻ります。なので3週目から受診日までは指折り数えてサフネローと念じる日々となります。

本当に麻薬と同じで「早く早く打ちたい」となります。怖い薬です。

そんな感じで9月の受診日を指折り数えて待っている頃、左足の親指の爪あたりが赤く腫れてきました。深爪?が酷くなった感じです。痛いなぁと思いつつ「深爪だから伸びたら治るだろう」なんて思ってました。

というわけで、足の痛さよりもサフネロー切れと夏の残暑と陽射しのせいか身体の怠さと筋痛と関節痛が勝ってしまいヘロヘロな8月でした。

というわけで、次回は9月の5回目サフネローと意外な副作用を書いていきたいと思います。

2023年9月23日 (土)

SLE治療薬 サフネロー4回目・帯状疱疹ワクチン接種2回目(その1)

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

興味のない方は飛ばして下さい。

「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。

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サフネロー4回目になりました。

私は和歌山県田辺市という紀伊半島の先くらいの所に住んでおり総合病院はあるものの専門性のある治療がちょっと難しい地方です。総合病院の内科は都市部のように細分化できるほど医師の確保が出来ないので「よろず」でいろんな疾患を広く浅く診ないと患者を回せないような、そんな地域です。

もちろん治療できなくはないのですが、その道に特化した専門医がいないのでやはり最新の治療は難しいのが現状。免疫の治療に関して言うと紀南地区には専門医はいないそうです。

私と同じSLEを患っている人が当院にも数人いらっしゃいますが、田辺で診断がついたらセカンドオピニオンを経て大阪などの都市部の大学病院の免疫内科にわざわざ通院されています。みなさん片道数時間かけて2カ月に1回通っています。

私はたまたま結婚前に勤務していた大学病院の血液・免疫内科病棟に仲の良いナースと医師がいたので「こっちでSLE診断出たんだけど、どうしよう」と相談したら転院できたのですが、もしそれがなかったら田辺で診てもらうしかなかったと思います。

そんなわけで、もう15年近く3時間かけてはるばる神戸まで通院しています。まあ地元にしょっちゅう帰省できる口実にもなって息抜きと気晴らしにはなります。SLEがなかったらこんなに頻繁に地元に帰省なんてとてもできなかったと思います。

サフネローが始まる前は2カ月に1回通院だったので酷暑の8月に通院しなくていいようにコントロールしていましたが、サフネローは月1回必須点滴なので…今月は死ぬの覚悟で8月に通院してきました。

もーーー暑いです。自宅を出ただけで暑いです。

しかもこの日は運悪く台風一過で前日新幹線や特急が計画運休だった翌日で、非常に混雑しているうえに運行開始の始発発車すぐに台風の雨風で木の枝が電線に落ちてきたらしく運転見合わせ。結局3時間「特急くろしお」に閉じ込められ神戸まで6時間以上かかりクタクタでした。

翌朝はまた朝一番8時過ぎに採血採尿からスタートです。

この日は人間ドックで引っかかった乳がんの精査まで予約が入っており①採血採尿②乳腺外科③リウマチ膠原病免疫内科④サフネロー点滴というおしながき。眼科と神経内科は2カ月に1回受診なので今回はなかったのが幸いです。

私が受診している某病院は実は乳がんと乳房再建が得意で有名らしく乳腺外科は超スペシャル劇混み。予約も2か月待ちでした。

乳腺外科が9時に予約初診だったのですが、診てもらえたのが11時半でした。あまりにも待ち時間が長いのでその間に免疫内科行っていいかと看護師さんに聞いても乳腺外科は待ち時間に他科受診はNGらしくひたすら待つのみでお尻が痛くなりました。

昨日から「特急くろしお」といい、乳腺外科と言い…待ち時間が長くて辛いです。

で、やっと乳腺外科診察。

さすが日本有数の乳腺外科初診外来。初診医師の後ろには研修医数人と医学部学生見学数人がそびえ立っていました。リアル白い巨塔のようです。ちゃきちゃきした40前半くらいの外科医として脂が乗り切った感じの女医さんでした。

「えっと、人間ドックの京大ハイメディックさんから紹介でデータをみせてもらったのですが…もうエコーもマンモも全身PETと乳腺PETまで検査しちゃってますね。紹介状ではここに気になる点があるとのことですが」

女医さんが各種画像をチェックしてます。

「えーと、ここに小さい点みたいな白いのありますよね。過去5年分の画像やデータではなかったんですが、今年はあるということで。でもこの小さい点は石灰化したもので問題ないですよ。こんな小さいのも拾うんですね~。もうすべてすべき検査はされてるんだけど、一応うちでもエコーだけしますか」とのこと。

そう、私の受けている人間ドックはミクロンのような問題点を掘り出してきて精査してもらってきてというシステムで、今までいろんな科に紹介で行かされて「これで精査になるの?すごいね、経過観察で大丈夫ですよ」となる事が多くやっぱり今回もかぁ~と。

早期発見は良い事なんですが、今は病院劇混みの時代なので大変です。

で、検査室で待たされやっと12時にエコー。エコー中に「免疫内科と点滴室から受診催促がきているのでエコー終わったら急いで乳腺外科に戻らず先に行って下さい」と。免疫内科が10時予約で点滴が10時30分予約なので時間が押し押しです。

エコーが終わって急いで免疫内科に行くと運悪く私の前が紹介初診のややこしい患者で先生がイライラしながら説明をしています。患者が食い下がって先生もヒートアップして話が長い長い。ここでも30分待ちました。

やっと主治医に診てもらえましたが、先ほどのややこしい患者の余韻が残っており怒り心頭なご様子。

「先生、大変でしたねぇ。外まで聞こえてました」と言うと「まさごさんは同じ医療関係者だから言うけど、もーねぇ」と小声でため息交じりで愚痴ってました。「じゃあ、点滴のオーダー切っておくから。予約時間が押して点滴室混んでるらしいから急いで行ってきてね」と先生の愚痴を聞いていたら肝心な自分の事(先日、感染性胃腸炎で大嘔吐して救急車で運ばれたことなど)を言い忘れてました。

先生の言う通り点滴処置室も大混雑。看護師さんに「まさごさん来ないから次の人先に入れちゃったからちょっと待ってもらわないといけないの」とここでも待ち。

帰りの「特急くろしお」の予約が新大阪発15時13分。かなり余裕を見て予約をしていたのですが、それも間に合うかどうかの時間になってきました。

看護師さんに「乳腺外科の初診待ちが2時間半かかってしまって時間がすごく押してるんです。和歌山から来ていて帰りの電車の時間が間に合わなくなってきている」と説明したら早めにベットを空けてくれて乳腺外科に連絡してエコー後の診断結果を聞くのは次回予約に手続きをしてくれました。助かりました。

で、やっと今日の目的のサフネロー点滴までたどり着けました。長かった。

今回は例の入らなかった元気のよい若い看護師さんではなく、最初から職人肌的なラスボス風いぶし銀な年配の看護師さんでした。

「今日はサフネローと併せて帯状疱疹の二回目ワクチンもあります」とのこと。帯状疱疹の2回目ワクチン、そういえば先生前に8月って言ってたな。忘れてました。

ワクチン筋注の痛みをこらえながらサフネローです。もちろんいぶし銀職人は一発でルートを決めました。

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サフネローが体内に入ると冷たくて、その冷たさに押し出されるように筋痛も流れていきます。さーっと全身の痛みと肩こりが取れる感じ。

サフネロー、待ちくたびれたよ。会いたかったよ。

飼っている猫の次にサフネローを愛しています。

サフネローが全身をくまなく流れて痛みが消えていく感じを楽しむのが最近の私の至高の時です。エステのマッサージより効きます。30分約10万円の施術です。

至高の点滴はあっという間でお会計を済ませて急いで新大阪に向かいます。ホントにギリギリ出発前に新大阪につきました。お昼ご飯を食べる暇もなかったので駅弁を買ってなんとか滑り込みで「特急くろしお」に乗り込みました。

またここから3時間かけて帰ります。なんか昨日から待ち時間ばかりで疲れました。行きの「特急くろしお」の運転見合わせから乳腺外科まで、ひとつ躓いたら後全部躓くという典型的な日でした。

小峠さん的に言うと「なんて日なんだ」という感じです(苦笑)

来月はスムーズに通院&診察が出来たらいいなと思いつつ、次回は①採血採尿②眼科③神経内科④乳腺外科⑤免疫内科⑥点滴と盛りだくさんで…また大変そうです。

サフネロー4回目の実施後と帯状疱疹ワクチン2回目の感想は長くなったので次回にまとめます。

というわけで、座りすぎてお尻の座骨が折れそうだった通院記録でした。

2023年9月 2日 (土)

SLE治療薬 サフネロー3回目 

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

興味のない方は飛ばして下さい。

「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。

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サフネロー3回目の受診日になりました。

私は神戸の某総合病院のリウマチ膠原病免疫内科に受診しているのですが、同日に頸椎ヘルニアでオペをしたのでその経過観察の為に神経内科とSLE治療薬のプラニケルの副作用で白内障になっていないかの確認で眼科も一緒に受診しています。

和歌山から前泊で受診来院しているので帰りの電車の事を考慮してどの科も午前中の早い時間で受付を入れています。

スケジュール的には①採血検尿②眼科か神経内科受診③血液検査が出た頃に免疫内科④サフネロー点滴 という感じで午前中いっぱいかかります。

ということで、朝は8時半の採血からスタートします。

私、朝非常に弱いんです。

低血圧と朝食後のステロイドが効くまでは身体が重くて動きません…。駅から病院までタクシーに乗るほどでもないけどなんか微妙に距離があって遠いんです。冬場はまだいいんですが、日光過敏症で夏場の朝日サンサンのカンカン照り青空の通院はまさに地獄です。

日傘、帽子、マスク、サングラス、カーディガン、手袋などの装備品や水筒、その他で荷物は重いし暑いし日光でヘロヘロ、朝の薬がまだ効いていなくてふらふらで採血室まで這うように辿り着きます。

採血後は診察待ちの間に涼んだり寝てなんとか死にかけからの回復を待ちます。眼科・神経内科は特にいつも通りで診察終了。

そして本丸の免疫内科へ。めちゃ混みでいつもかなり待ちます。

免疫内科の主治医に

①帯状疱疹のワクチン後、ありとあらゆる副作用フルパワー全開でしんどかった。今回は感染云々ではなくワクチンの副作用で死んでいた。

②サフネローは点滴後めちゃくちゃ筋肉痛や関節痛や怠さに効くけど2週間くらいは効いてるけど切れたらすぐ分かる。まさに麻薬。

と伝えました。

主治医「血液検査はあまり動かないんだけど、サフネローって効く人には劇的に効くんだよねー。患者さんの体感になるので数値化できないから僕らはなんて言っていいか分からないんだけど、抜け毛や筋痛や関節痛にはすごくいいみたいな感じかな」とのこと。

帯状疱疹ワクチンは…うん、やっぱりしんどかった?次は8月か9月くらいかなとのこと。

ということで、点滴がんばってねー、また来月☆と診察終わりです。割と年が近い主治医で気さくな方なので診察受けやすいです。

では、点滴処置室へGO。

…また劇混み。で待ちくたびれて待合室で寝ていたら看護師さんに起こされました。

前回3回失敗した例の若手の明るい看護師さんでした。

「もう1カ月早いねー。まさごさん取りにくいからなぁ!失敗せんように頑張るね(^▽^)/」とのこと。

まだ比較的失敗率の低い左手から。一番取りやすい所…入らず!2番目に入りやすい所…入らず!ちょっと痛い所…入らず!

「ごめんね~、右いいかな」と仕切り直し。右の一番取りやすい所…入らず!2番目に入りやすい所…入らず!

さすがに口数が少なくなって焦ってきてるのが目に見えて分かります。ホントは刺入部が痛いんですが「大丈夫だよー、私入りにくくてごめんね」と励ますもだいぶん凹んでます。

「あ~、コレあかんかったら今日私ダメかも」と渾身の一刺し…が入らず。

「めっちゃごめん!ちょっと替わるわね(´;ω;`)」とこの時点で6回入らずでした。腕が絆創膏だらけです。

針も付け替えて仕切り直し!で次に来た看護師さんは…ベテランの貫禄十分のラスボス風な方でした(笑)明るい看護師さんがラスボス風さんに「すみません、お願いします」と恐縮しています。「はい、針ちょうだい」とラスボスは難しそうなところを狙ってきます。

絶対的エース的腕前を彷彿とさせるベテランが…まさかの「あれ?おかしいなぁ」とグリグリしますが血管を外しているようです。その後ラスボスさんも2回ほど失敗して「そこ狙うか」的な痛い所でやっと入りました。今日は9回、蜂の巣になりました。

「ちょっと久々に変な汗かいたわー」とラスボスさんも苦笑いでした。私も変な汗かきました(笑)

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なんとか血管確保してサフネロー開始です。

サフネローの液が冷たく血管内に入ってくる感触がしたかと思うとサーっと筋肉の痛みが冷たさと一緒に消えていきます。私は筋肉痛に関してはサフネローが合っているらしく即効きます。肩こりがほぐれる~と言った感じ。

コレが効くという事は肩こりではなく疾患からくる筋痛なんだなと実感します。

私の場合点滴をすると少し頭痛がしますが、頭痛と引き換えに筋痛や関節痛や倦怠感がなくなることを思えば等価交換以上です。

30分かけてサフネローを落としてから50mlの生食を流して点滴終了。針を外しに来た明るい看護師さんに「次の時はベテランさんについてもらうね。今日は一杯刺してごめんね(´;ω;`)」と。「今日は私も血管出てなくてごめんね、次は血管出るように頑張るね」とよく分からない挨拶をして処置室を出ました。

海に服のまま落ちて陸に上がったようなそんな身体の重さと怠さがが消えてます。

ホントすごいよサフネロー!作った研究者、神?誰か知らんけどありがとう!

健常ってたぶんこんな感じだったんだ!と毎回感動します。製薬会社の人ありがとう。

職業柄、外来混み合ってるしあまり長々話したら先生も忙しいだろうから…といつも私は遠慮しがちになるのですが、もっと早く主治医に「最近身体しんどい」とアピールしておけば良かったとめっちゃ後悔してます。SLEでしんどい方は我慢せずに主治医にアピって下さい。適応があれば絶対にサフネローおススメです。

ということで、朝から昼過ぎまでの診療が終わり3時間かけてまた帰途へ着きました。毎月なのでくたびれます。

サフネローは値段も高く特殊な薬なので、まだ私の住んでいる地区では取り扱いがありません。割とこの地区では大きな総合病院の内科をかかりつけ医にしているのですが、やはり専門医がいないと製薬会社が出荷規制をしているらしく卸さないらしいです。地方と都会の医療格差は残念ながらあります。特殊な病気の場合は都市部で治療を受けるべきだと思います。

サフネローは効果絶大な分、副作用の易感染も凄まじいです。

前回までは何てない普通の風邪を重症化させてしまい喉が死にそうでしたが、今回は別の感染症に。

休みの日に主人と外出先にいる時に気分が悪くなってきたと思ったら急に激しい嘔吐で意識朦朧。救急車でこちらの件のかかりつけ総合病院に運ばれ処置中も嘔吐下痢が止まらず…。診断の結果、感染性の胃腸炎で腸が腫れてしまっていると。

別に変なものを食べたわけでもないのですがサフネローの易感染が原因ではないか?との診断でした。

1週間ほど食べ物を受付けず、お粥生活でした。夏場ですしね、食べ物も気をつけないといけません。

気をつけても何かしらに感染しやすくなるんだなぁと実感しました。というか、もうこれ以上感染予防は出来ないんじゃ?というほど気をつけているのにどーしろと?という気もしますが。

なんとか嘔吐下痢も落ち着いてきたら、やはり前回同様2週間くらいでサフネローの効果が切れてきて筋痛や関節痛や怠さ復活。

あとちょっとでサフネロー…頑張れ自分…と鼓舞していたのですが、コロッと忘れていたのですが8月は祝日がありいつも4週に1回の通院が5週目になっていました。そういえば主治医も「祝日あるから今回ごめんね。しんどいけど頑張って」と言っていたな←忘れていた。

この1週間が本当に辛かったです。体中が痛くて動くのがやっと。元はこんな体調だったんだと驚くくらいです。薬の効果が切れた時のギャップが凄すぎて本当に麻薬のような薬です。

そんなわけで、4回目のサフネローを首を長くして待って待って恋焦がれた3回目サフネローでした。

次回は4回目サフネローと帯状疱疹ワクチン2回目をお伝えしたいと思います。

まだ残暑が続きますので同じ病気の方も無理をせずぼちぼちいきましょう。

2023年7月22日 (土)

SLE治療薬 サフネロー2回目と帯状疱疹ワクチン接種1回目

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

興味のない方は飛ばして下さい。

「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

過去の記事は SLE通院日記・サフネロー というカテゴリーを作っていますのでそちらに記事が入っています。

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1回目のサフネローでは先生の予言通り「易感染性」の洗礼を浴び「ただの風邪」をこじらせてしまった私。

咳、痰、のどの痛みが長引き「これ絶対治らないやつやー!」と思っていたのに2回目サフネローの点滴受診日の2~3日前あたりに回復しはじめて当日には風邪は完全に治ってしまいました。

これを「通院前に症状が治ってしまう」あるあると言います(笑)

身をもってサフネローは感染しやすいと分かったので2回目は気をつけよう(といっても1回目もそこそこ感染予防していたんですが)と心して受診しました。

主治医に「サフネローの後、自覚症状どうやったー?」と診察の際に聞かれたので

①筋肉の痛みがスーッとすぐに取れたけど効いていた実感は2週間くらいでそれから徐々にいつもの痛みがぶり返してきたこと

②普通に生活していたら風邪に罹って死にかけていたが受診前に治ってしまった

と伝えました。

血液検査の結果は関節の炎症の数値が少し下がってきて触診で指の関節の炎症のブヨブヨ感がちょっと改善してるような気がするかも?とのこと。関節炎にサフネロー効いたみたいです。私自身はまだ関節の痛みは効いた感じはしませんでした。

主治医曰く、SLEを長く患っていると血液検査的には悪化増悪な数値はデータとして出てこなくても、身体のだるさや関節や筋肉の痛み、脱毛や頭痛、皮疹など内臓系の炎症疾患まではいかないけど不快な各種症状がまたじわじわ出てきやすいんだそうな。

SLE疾患歴の長いプロの人は症状が出ても「まあしんどいし辛いけど、SLEってこんなもんかな」と変に納得し我慢してしまいがち。血液検査も悪くなってないし医師も診察歴が長くなってくると「まあ、こんなもんでしょう。お薬出しときますねー」とルーティン診察になりがち…。という悪循環になります。

私もSLE歴10年以上のプロ選手になっているので多少しんどくても難病でまぁ治る病気でもないし、しんどくてもこんなものと思っていました。しんどくてもこんなもんで騙し騙しで無理してたんだなと思います。

サフネローはそんな血液検査に変化がないのに不快な諸症状が出てきている長期SLE罹患患者を改善すべく彗星のように現れた新薬です。

サフネローは新薬でまだ特定の病院でしか使えないらしく、遠方で通院は大変でもきちんとした専門医に受診していてサフネローの治療を受けることが出来て本当に良かったなぁと実感しました。

今日も診察の後にサフネロー点滴です。前回のサフネロー1回目の時に帯状疱疹ワクチンが間に合わず今日2回目のサフネローの時に一緒に接種しましょうという事になっていました。

相変わらず混み合っている外来化学療法室で順番を待つことしばし。今日はなかなかベットが空かないらしく隣の外来処置室のベットで点滴を受けることになりました。

「帯状疱疹のワクチンは…まあちょっとしんどいけど頑張ってねー」と主治医に脅されていたのでちょっとビビってました。

帯状疱疹のワクチンは基本50歳以上の方が対象で市町村などで補助があったりするのですが、私はまだ50にはなっていないんですがサフネローのような易感染性の副作用のある薬を使う場合は例外的に自費診療ではありますが接種可能となります。

私が打つ帯状疱疹のワクチンはシングリックスです。

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シングリックスとはなんぞや?

  • 病原性をなくしウイルスの一部のみを使用した「不活化ワクチン」
  • 50歳以上で97.2%の予防効果があり、10年後も80%を超える長期予防効果
  • 副反応として、注射部位の痛みや腫れ、全身的な倦怠感、頭痛、筋肉痛、悪寒、発熱などがあり、弱毒生水痘ワクチンよりも副作用は多め。
  • 弱毒生水痘ワクチンより高価(2回接種で40,000円以上)
  • 2回接種が必要 (グラクソスミスクラインHPより抜粋)

だそうです。値段が1回2万円になるので常時在庫していないらしく取り寄せ薬剤です。もう一種類帯状疱疹ワクチンがあるんですが、シングリックスのが効くそうです。

点滴とワクチン接種にきた明るい若めの看護師さんに「帯状疱疹ワクチンたぶんコロナワクチンより痛いかも。って患者さんが言ってたよ。知らんけど( ´艸`)」と言われながら利き手じゃない左肩に打たれました。筋注なのでやっぱり痛いのと重だるいです。

その後サフネローの点滴開始です。バイタル(血圧、血中酸素濃度、体温)を測ってから留置針を入れます。私は血管がヤル気がないらしく採血やルートが取りにくいタイプ。今日も留置針を入れても逆血してこず沈黙を守る血管たち。3回ほど入れ直してなんとか入りました。

留置針、痛いから私あんまり好きじゃないです…。

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早く点滴を落とすと生物製剤は効果がなくなるらしく今日もゆっくり点滴です。

サフネローの薬液が体内に入ると冷たい感覚と首筋から肩にかけての筋肉がスーッと緩んでいくのが分かります。筋炎に関しては即効性めっちゃあります(私の場合)。

点滴が長いのでスマホを見ながらでもいいんですが、若干老眼が入ってきているので見るのがしんどいのでカーテン越しに何の処置をしているかなどをボーっとしながら聞いて過ごしています。

この日は急変が多いらしく看護師さんがバタバタしてる感が伝わってきてなんだかシビアな雰囲気。一応医療関係者なのでどんなことが起こっているかや医療用語が分かるので大変だなぁと感じつつ過ごします。

そんなバタバタ中でもきちんと数分ごとに点滴の確認に来て下さりありがたいです。

無事サフネローと帯状疱疹ワクチンも終わり遠い遠い自宅へと帰りました。

前回は風邪で死んでいたので今回は感染予防もばっちり!前回ほどしんどくないだろうと高を括っていたら…今回は予想外の帯状疱疹ワクチンの副作用が!

ワクチンって簡単に言うと一回その病気に軽くかかって免疫をつける的な感じです。帯状疱疹ワクチン、キツイとは聞いていましたが

本当にキツイです!!

打ってから1週間から10日間くらいに副作用が起こりやすいとの報告ですが、私は接種後3日目くらいから異変が。起き上がるのも辛いくらいの倦怠感と37度5分くらいの微熱。そしてなんか身体がゾビゾビする?寒イボが全身にブワッと出る感じ?ヘビが身体を這う感じというのでしょうか。これがかの言う「悪寒」なんだなぁと。頭もガンガン痛みます。

それから1週間、書いてあるすべての副作用すべてエンジン全開でワクチン頑張ってくれました(泣)

2回目のワクチン接種は2か月後とのこと。2回目の方が副作用が強く出るので今から驚愕して慄いています。

帯状疱疹に罹ることを思えばマシですが、帯状疱疹のワクチンは甘く見ていると副作用にビビるので心して挑んでください。

そんな感じで今回は相変わらず普通に生活してまた軽い風邪をひいたり、帯状疱疹のワクチンで死んでいたり…で辛い1カ月でした。

また案の定、次の診察日の2~3日前から改善し診察日には風邪も治り副作用も落ち着いていました(笑)

次は3回目サフネロー受診についてレポしますね

 

2023年7月 8日 (土)

SLE治療薬 サフネロー1回目を受けてみて、感想

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」点滴の治療記録です。

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前回「サフネロー1回目」の記事を書いたのですが、アクセス解析をすると「SLE サフネロー」で検索して閲覧してくれている方が多いようです。

SLEのみの特効薬でしかも新薬、まだネット上のSNSの類に闘病記がほとんどないので私が感じた事にはなるのですが同じ病気で同じ治療を受ける方の何かの参考になればと思います。

1回目のサフネローの点滴をした時に、投与1日目から筋肉の痛み(私の場合は肩凝り首凝り腰痛を数倍辛くしたような筋痛があります)がスーッと消えました。点滴が終わってからすぐ効きを感じました。

ゴットハンドのエステシャンにオイルマッサージしてもらって肩凝りが楽になったような感じ?といえば分かりやすいでしょうか。そんな感じで詰まりきっていたようなものが通ったような分かりやすく効いている実感がありました。

今までステロイドや免疫抑制剤やら使っていた時にはあまり感じなかった切れ味の良い効き。「え?サフネローってめっちゃ効くやん!」とその即効性に感動しました。

点滴後から2日間まで軽い頭痛を感じ耐えられない時のみロキソニンを服用していました。投与後の頭痛の副作用はけっこうあるらしいです。

関節の痛みや身体のだるさが取れるなどは私は1回目では感じませんでしたが、長年悩まされていた筋痛が著しく軽減しただけでもQOL(医療用語で生活の質)が上がったような気がします。

筋肉の痛みが取れたー!と喜んでいたのも束の間。重要な事を忘れていました。

主治医にあれほどまでに釘を刺されていたアレ。

「感染しやすいから気をつけて」

もう普通に生活しているだけです。投与後すぐどこでもらったのか鈍い喉の違和感が。

コロナのような切れるような激しい喉の痛みではなく、まったりと鈍い喉の痛み。と思っていたらあれよあれよと痰が詰まるようになり声が出なくなり鼻水も滝のように。咳も止まらない。トローチとティッシュが手放せない状態に。

すぐにサフネローの易感染性の洗礼を浴びました。

コロナでもインフルでもないのですが、なんてことのない普通の風邪をもらいやすく重症化しやすいようです。

しかも免疫を抑えているのでなかなか治らない。普通の健常な方なら1週間もしたら風邪は改善してくるのにぜんぜん治る気配なし。

私はサフネロー投薬を受けている専門病院が自宅から片道3時間なので異変があってもなかなか行けず、近所の内科に行っても「うーん、新しい特殊な薬でよく分からないから」と対処療法で風邪薬の処方のみ。

筋痛は治ったのですが風邪で投与後3週間ほど寝込む生活になってしまいました。

で、1か月後(4週間後)の2回目のサフネローの時に絶対に主治医に咳止めと痰きりとトローチをもらおうと意気込んでいたら、あんなに治りが悪くぐずっていた風邪が治りました(苦笑)症状があっても予約前に治る、「患者あるある」ですね。

今までステロイドも免疫抑制剤も感染しやすい薬なのでそこそこ気をつけてはいたのですが、サフネローはさらに何か感染しやすい薬のようです。

感染予防と言ってもマスク、人ごみ避ける、うがい手洗いしか思いつかないのですが、とにかく本当にすぐ感染するので気をつけて下さいね。

次回は2回目サフネローと帯状疱疹ワクチン接種1回目を書きたいと思います。

2023年6月10日 (土)

SLE治療薬 サフネロー1回目

膠原病の難病「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」の新薬「サフネロー」の治療記録です。

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「サフネロー」の治療に関する患者目線のSNSが少ないので私の治療記録を記載します。今後同じ治療を受ける方の参考になれば幸いです。

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「サフネローって薬があるんだけど」

膠原病免疫内科の主治医がパンフレットを渡してくれました。

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開業して2年目か3年目の夏でした。

主人と串本辺りにドライブに行った時の帰り道に海からの強い照り返しと日光に当たったあとにめまいと猛烈なだるさで動けなくなりました。今考えるとそれが発症だったと思います。ちょうど開業の疲れやストレスが溜まった時期でした。

田辺で入院し診断されたのが「全身性エリテマトーデス(略してSLE)」。治療はステロイド30mg/dayからスタートしました。

SLEとは、自分の身体が自分自身を敵とみなしてあらゆる臓器を攻撃をする複雑な自己免疫疾患で「特定疾患難病」に指定されています。ステロイドや免疫抑制剤で暴走してしまった自己免疫を抑え込むしか治療法がありません。薬の加減が難しい病気です。

私は以前大学病院で勤務していた際に血液免疫内科の病棟で白血病や免疫疾患の患者の口腔管理を担当しており、症例を通じて医師や看護師のみなさんと仲良くなりました。紀南には免疫内科の専門医がおらずどうしたものかと思っていましたが、その時のご縁で地元大学病院の膠原病免疫内科に転院が決まりそれからはずっと神戸で治療を受けています。

治療の甲斐もあって順調にステロイドを減量し、専門医の元でステロイドと免疫抑制剤、プラケニルを組み合わせた処方で治りはしないものの寛解までもっていき10年ほど安定した状態を保っていました。

処方は1日あたりステロイド3mg、免疫調整剤プラケニル1錠、免疫抑制剤プログラフ2錠が維持量になり何年か続け、もう病気自体に慣れてしまい「しんどい」のが当たり前というか「こんなもんだろう」という感じで生活していました。

そんなある日、治療前のような異様な体のだるさや関節の痛みを感じるようになってきました。肩こりのひどい版のような筋肉痛や雨の日などの気圧が低い日に感じるような頭痛もひどくなってきて何となく不調を感じていました。

年齢的に更年期かなと婦人科に行ってみたものの血液検査ではまだ更年期ではないと否定。そうしているうちに顔周りや首周りにひどい発疹が出現、赤く爛れたようになり外に出るのが恥ずかしいほどになってきました。それと同時期に口腔内にも潰瘍ができ口周りにもヘルペス様の水疱がが出来始め痛みで食事もままならなくなりました。

皮膚症状は主治医と皮膚科の先生と相談して各種ステロイドの軟膏を塗布、口はまぁ一応専門家なので診療所にある口腔内用ステロイドを塗ったり菌感染しないよう口腔ケアをしたりでなんとかなりましたが、だるさや関節の痛みは増していき日常生活を送るにも家事が精いっぱいにな状況になってきました。

10数年ぶりの再燃でした。

SLEというのは不思議な病気で経過が長くなってくると血液検査ではハッキリした変化がないのに身体の症状だけが多種にわたって出てくることがあります。

今までは症状が再燃するとステロイドを増量して~また少し良くなったらステロイドを減量して~…という治療法しかなかったのが、2021年の11月末にアストラゼネカ株式会社から「サフネロー」という名のSLEの新薬が発売されました。

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サフネローとは完全ヒト型モノクローナル抗体であり、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IFNAR1)を標的とする新規の全身性エリテマトーデス(SLE)治療薬で、用量調整が不要な、4週間ごとに1回30分以上かけて投与する点滴静注製剤です日本で承認を取得した最初かつ唯一のI型インターフェロン受容体拮抗薬であり、治療が困難で、多くの場合患者さんを消耗させる複雑かつ不均一な疾患であるSLEの治療における大きな進歩を意味します。アストラゼネガ社記事より抜粋

まるで「エヴァンゲリオン初号機を説明する赤木リツコ博士のセリフ」のようななんか小難しい説明ですが、今までSLEは出てしまった症状に対して炎症を抑える対処療法的な消炎としてのステロイドしか治療法がなかったのが、病気の根本原因である暴走したI型インターフェロンに直接働きかけて暴走を抑えることのできる生物製剤…なんだそうです、主治医の説明を聞いた私の解釈では。

難しいので詳しい作用機序はみなさんの主治医に聞いて下さい。

長期にわたってステロイドを使用してもなかなか寛解に至らず再燃したSLE患者に適応する唯一の薬なんだそうです。

「長いこと安定していたのに症状が出てきたね。最近出た新しい薬があるんだけど…。ただ1カ月に1回点滴必須になるので治療を始めたらずっと月一診療で通ってもらわないといけなくなる。とりあえず1クール12回受けてみてどうなるか、かな。遠いし治療が始まったら通院が大変だと思うのでご主人と相談してみて」と主治医にパンフレットを渡されました。

私は新しい治療は積極的に受けたいタイプですが、意外と超保守派の主人は新しい治療はあまり好まないタイプ。もっとメジャーになってからはじめても良いのでは?と少々反対されましたが、実際に身体が辛く私的にはそんな悠長なことを言っていられないので治療を受けることにしました。

サフネロー点滴開始当日。血液検査は痛みがひどい関節の炎症数値が跳ね上がっていましたが他はいつも通り。

私の免疫内科の主治医はよく話を聞いてくれて疾患や治療に対する説明もきちんと患者と向き合ってくれるタイプです。内科医は特にカルテ用のパソコンとにらめっこばかりでろくに患者の顔すら見ない方も多いのでありがたいことです。

「じゃあ今日から始めるけど、点滴1時間くらいかかるかな。即効性はないんだけど効く人には効くから。とにかくコレは感染しやすいから気をつけてね」と言われました。

外来化学療法室に移動して点滴を受けることに。人によっては入院して初回受けるそうですが、私は外来で。点滴をする前に熱や血圧・血中酸素濃度の測定。病院によってはバイタルモニター監視下で点滴をするそうです。

サフネローは生物製剤なのでちょっと特殊な点滴です。

生物製剤とは、一般的な化学的合成を行って生成された薬剤ではなく生体から作られた蛋白質(抗体)をもとにした薬剤です。バイアルに入っている薬を生理食塩水で解いて作るのですが、溶解する際に泡立てたり溶解した製剤を輸液バックに急速に混入させると中の蛋白が凝集して微粒子を作ってしまいます。

この微粒子が異物として免疫反応を起こしてしまい、生物製剤の効果を半減させてしまうのでインラインフィルターをつけて点滴をします。

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生物製剤独特な点滴の組み方です。点滴の速度も速すぎると効果が半減するらしく滴下速度も看護師さんは合わせながら開始です。

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私の通っている病院は古く狭いので処置室のベットは極細(苦笑)。そんなに太っていない私でも横たわるとギリギリで寝がえりはもちろん動くと転びそうな幅の狭いベットで点滴開始です。カーテンで仕切られていますが隣のベットは超至近距離です。

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この量なら普通の点滴ならあっという間だなぁ、なんか大げさな点滴だなぁ…と思いつつ、退屈なので周りの処置や看護師の動きが気になります。

ここで処置をする患者さん達はみんなそれなりに重症な訳で。看護師さん同士が話している略語や内容も何となくわかってしまうのでみんな大変なんだなぁと感じつつ、自分もそんな患者さんの仲間入りなんだな…と複雑です。

薬液が入ってから何度も看護師が確認に来ます。私は薬剤が入って少しめまいというかクラクラしただけで大きな変化はありませんでした。

サフネロー終了後は50mlの生理食塩水を流して終了です。再度バイタルの確認です。

点滴終了後はアナフィラキシーショックの有無や体調変化の確認のため30分ほど休憩してから帰宅でした。

不思議なことに点滴をしてすぐにひどい肩こりのような筋肉の引っ張られるようなズキズキした鈍痛がすっと消えました。サフネローが急激に効くのかどうか分かりませんが不思議なことに肩こりがスッと消えました。

コレ、効くんじゃないの?と半信半疑でお会計に行くと、領収書も半信半疑の二度見でした。

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サフネロー点滴静注 1瓶 9,633点

1点=10円です。

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ハイプラーイス!!!(DoctorX の西田敏行さんがアキラさんに請求書をもらった時のリアクションで読んでください)

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サフネローの点滴この1瓶で9万6千円也です。その他治療費や飲み薬代は別途かかっています。

私の治療代は「特定疾患難病公費」なので1カ月窓口支払い上限金額は2万円までなのですが、ビックリです。

これが毎月。あの点滴が10万円近くかぁと思いつつ会計をしました。病気になるとお金がかかるものです。

専門病院が自宅の近くの方ならこれですぐ帰ってゆっくり…でしょうが、専門医が近隣におらず遠征してきている私はこれから帰宅です。

在来線、特急くろしおを乗り継いでだいたい3時間かかります。帰りの電車の中で少しふらつきとめまいがしました。特急くろしおが横揺れが酷い列車なので余計に酔いました。

今までは8週間に1回(だいたい2カ月に1回)専門病院通院だったのが4週間に1回(1カ月1回)になります。

1カ月に1回、少なくとも1年間この治療を続けないといけないのかぁ…と改めて自分が難病なんだなぁと再確認しました。

サフネローは最近承認された新薬の上、SLEのみの特効薬。検索しても製薬会社の新薬発売のニュース記事か専門医レベルの疫学的情報ばかりで実際患者の立場での臨床使用に関するものは見つけられませんでした。

さらにこのようにTwitterやインスタ、闘病ブログなどSNSに情報を発信する方となると本当に限られていて、わずか数人「闘病記録」を書かれている方を見つけて本当に参考になりました。

サフネローは点滴後に頭痛がする、ふらつきがあるなど記載があり心構えが出来ました。副作用や効果などはひとそれぞれですが同じ病気で同じ治療を受けた方の言葉はとても心強いものです。

今後、SLEでサフネローの点滴を開始する方に対して何か少しでもお役に立てればと思い記録を残したいと思います。同じ病で闘病中の方、ぼちぼちがんばりましょうね。

次の記事は「サフネロー1回目、その後」(ちょっと大変だったので注意喚起で「その後」を特記します)と6月に下旬にサフネロー点滴の2回目があるのでまたまとめたいと思います。

ご参考になれば幸いです。

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